コシヒカリ発言 県政「おかしくなる」予兆 前山亮吉/静岡県立大教授【識者談話】

 応援演説での発言は公務ではなく政務だったとする川勝平太知事の説明は釈明になっていない。政務であっても知事の立場は変わらない。使い分けはできず、通らない理屈だ。首相の立場に置き換えたら分かりやすい。首相が自民党総裁として発言したことも首相の発言と捉えられる。

前山亮吉氏
前山亮吉氏

 また、知事として特定の市をやり玉に挙げて話をするのは、応援弁士としての発言だとしても成り立たない。バランス感覚がなければ学問はできず、学者出身の川勝知事には以前からバランス感覚があったはずだ。東部、中部、西部の地理的なバランスを取ることも知事の役割の一つだが、それが失われてしまった。
 6月の知事選も10月の参院静岡選挙区補欠選挙も1人が当選する小選挙区型だった。相手を罵倒、攻撃する選挙のやり方になりがちで、調整や合意形成が必要な政治に悪影響を及ぼしている。今回のような知事発言問題が県政課題の中心に据えられ、泥仕合が表面化すること自体が県政の停滞を象徴し、県政がおかしくなる予兆と言える。
 一般的に知事の4期目は難しいとされる。4期目の川勝知事は内向きになり、県内での政争に首を突っ込み過ぎている。自民との対決ばかりをしているのは非生産的だ。このままでは4期目は何の成果も出せないまま終わるのではないか。

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