3Dプリンターで住宅を 百年住宅(静岡市)、プロジェクトに参画

 住宅メーカーの百年住宅(静岡市駿河区)は10日までに、関西のベンチャー企業が立ち上げた3Dプリンターで次世代住宅の建築を実現するプロジェクトに参画した。立体物を自在につくれる米国製の建築用3Dプリンターを導入し、従来製品と一線を画す短納期・低価格住宅の提供を目指す。職人の高齢化や人手不足が進む中、住宅業界の省力化に寄与する取り組みとしても注目される。

3Dプリンターで建設した10平方メートル未満の製品イメージ(c)Clouds Architecture Office
3Dプリンターで建設した10平方メートル未満の製品イメージ(c)Clouds Architecture Office

 セレンディクス(兵庫県)が2019年から進める取り組みを支援する。日本の気候や顧客ニーズに即した製品仕様、施工手法を確立する上で、百年住宅がコンクリートプレハブ工法の住宅建築で培った原料のコンクリートを調合する技術・ノウハウを役立てる。
 導入する建築用3Dプリンターは、従来工法で使われる生コンクリートを材料としてそのまま使えないという。このため、3Dプリンターで成形しやすい流動性(水分量)を備えつつ、紫外線などによる劣化防止、耐震性といった国内の建築物に求められる性能基準を満たせる材料の開発が求められる。
 建築基準法に3Dプリンターを用いた建築施工の諸規定がないのも課題。同法に基づく建築確認が不要な建築面積10平方メートル未満のモデルルームから手掛ける。キャンプ施設やリモートワーク空間として事業者や個人向けに販売を展開し、施工実績を伸ばしながら、量産化に向けた技術を固めていく。
 22年以降に一般的な住宅の床面積である100平方メートル規模の製品を市場投入できるよう、国からの認定取得にも力を注ぐ考え。中嶋雄社長は「新型コロナウイルス感染拡大の閉塞(へいそく)感から消費者の住まいに対する考え方に変化がみられる。新たな建築技術を取り入れ、家造りの在り方を研究する」と語った。

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