記者コラム「清流」 待ち遠しい「両立」

 緊急事態宣言が解除されて1カ月が経過した。静岡市内の飲食店の店主に話を聞くと、宣言解除後も客足は戻らず、夜間の売り上げはコロナ前の3割程度だという。
 県や市は感染対策と経済活動の両立を呼び掛けているが、売り上げ回復には結びついておらず、「まじめな県民はすぐには出てこない。知事や市長が率先して外に出るべきだ」と語気を強めた。「御社もまだ飲み会は積極的にしていないでしょう」とただされると、うなずくしかない。
 ワクチン接種が遅れていた静岡市も接種率が国や県に追い付き、県内全体でも感染は落ち着いているが、第6波の到来を警戒しつつの日常生活を送っているのが現状だ。本当の意味での「両立」はいつになるのだろう。
 (政治部・池谷遥子)

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