テーマ : 熱海土石流災害

小田原の工業団地造成土か 熱海盛り土、北村静大教授が見解

 熱海市伊豆山の大規模土石流で崩落した盛り土付近の土石を採取し、分析結果をまとめた静岡大防災総合センター長の北村晃寿教授(古生物学)が5日、県庁で記者会見した。採取した貝殻が分布し、土砂の出どころの候補地とした神奈川県小田原市の中村川下流域(下原層)で、1993年から同市が工業団地として造成工事を行っていたとの論文を示し、北村教授は「この時期に採土された可能性はある」との見解を明らかにした。

盛り土付近の土砂から採取した貝殻を示し、分析結果を解説する北村晃寿教授=5日午後、県庁
盛り土付近の土砂から採取した貝殻を示し、分析結果を解説する北村晃寿教授=5日午後、県庁

 北村教授は、土砂運搬距離の観点から、供給源候補地として神奈川県藤沢市から焼津市までの範囲に絞って調査。伊豆山の崩落現場直下の堆積物から採取した「マガキ属」の貝殻の分析を基に、地層が隆起して誕生した歴史や団地造成を含めた採土の記録から、土砂は中村川の下原層から最終的に伊豆山まで運び込まれた可能性があるとの推論に至った。
 一方で、盛り土周辺からは生存した年代が異なるマガキ属の貝殻などが複数採取でき、もともとは漁港などの海底面をさらう工事などで海中から運び出されたしゅんせつ土の一部もあると推定した。
 北村教授は「独立した客観的な調査で証拠を残すことが必要。中村川の地層や大きな堆積物の調査にも順次着手し、崩落原因の究明に役立つようにしたい」と話した。

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