山の神、駿河路へ 青山学院大で箱根Vの神野大地 活動拠点浜松に恩返し【静岡県市町駅伝】

 「山の神」が駿河路を駆け抜ける。かつて箱根駅伝で青山学院大を初優勝に導いた神野大地(28)=セルソース=が、12月4日に静岡市で開かれる県市町対抗駅伝競走大会(静岡陸上競技協会、静岡新聞社・静岡放送主催)に、浜松市北部代表でエントリーした。現在拠点を置く浜松市からパリ五輪を目指すプロランナーが「やるからには区間賞」と意気込む。

浜名湖畔を駆ける神野大地。「ふとした瞬間に自然豊かな風景がリラックスさせてくれる」という=10月下旬、浜松市西区協和町
浜名湖畔を駆ける神野大地。「ふとした瞬間に自然豊かな風景がリラックスさせてくれる」という=10月下旬、浜松市西区協和町

 10月下旬の早朝、まだ薄暗い中、神野が浜名湖のほとりに現れた。約2時間で35キロを走り「ほどよいアップダウンがあり、スピードも出せる。合宿地のように高地ではないけれど、恵まれた練習環境」と、表情に充実感を漂わせた。
 市町駅伝への参加は関係者の呼び掛けに応じて決めた。「トップでゴールテープを切るために精いっぱい全力を出す」と神野。自身が子供のころに、出身の愛知県の市町駅伝に出場した際、大人たちの走りに大きな刺激を受けた。「僕も子供たちに夢が与えられたらいい。日頃応援してくれている浜松の皆さんに対する恩返しの気持ちも込めたい」と秘めた思いを口にする。
 4月に都内から浜松市に移住した。以前から指導を受けていたロンドン五輪代表でスズキアスリートクラブの藤原新・男子マラソンヘッドコーチの近くでトレーニングに励みたいとの思いと、練習環境が決め手だった。浜名湖や佐鳴湖周辺、四ツ池公園陸上競技場などで日々走り込んでいる。
 山登りの名ランナーは近年マラソンで結果を出していない-。そんな指摘が一部である。神野も東京五輪出場を逃し、成績だけ見れば試行錯誤が続く。「まさに僕がその通りになっている。だけど、箱根があったから今の自分がある。応援してくれる人のためにも自分が結果を出して定説を変えたい」
 箱根での輝きは人生最大の喜びだった。それを超える舞台は五輪に他ならない。節々で最良の選択をしてきた自負はある。「浜松で一歩一歩着実に階段を上っている実感がある。自分はまだ燃え尽きていない」
 
 <メモ>神野大地(かみの・だいち) 1993年9月、愛知県津島市生まれ。中京大中京高から青山学院大に入ると、3年時の箱根駅伝往路5区を1時間16分15秒の区間賞で優勝に導き、4年時も連覇に貢献。今井正人(元順大)、柏原竜二(元東洋大)に続き、「3代目山の神」と称された。卒業後はコニカミノルタを経てプロに転向。マラソンの自己記録は2018年東京マラソンの2時間10分18秒。プロ野球・ヤクルトの大ファン。身長165センチ、体重46キロ。

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