熱海・伊豆山土石流4カ月 続く祈り「いつ戻れるのか」

 26人が死亡し、依然として1人が行方不明になっている熱海市伊豆山の大規模土石流は3日、発生から4カ月が経過した。立ち入り禁止になっている警戒区域付近では、被災者が犠牲者の冥福を祈るとともに、「悲劇を風化させてはならない」と言葉に力を込めた。

熱海土石流の被災現場に向かって黙とうをささげる太田滋さん(右)=3日午前、熱海市伊豆山
熱海土石流の被災現場に向かって黙とうをささげる太田滋さん(右)=3日午前、熱海市伊豆山

 警戒区域内では、この日も県警機動隊員が行方不明の太田和子さんを懸命に捜索した。その傍らで、土石流に流された自宅跡に花を手向ける被災者遺族の姿もあった。
 全壊した自宅付近を訪れた太田滋さん(65)は「太田和子さんが一日も早く家族の元に戻れますように」と願い、黙とうした。太田滋さんは神奈川県湯河原町内の応急仮設住宅に移って約2カ月。「まだ生活は落ち着かない。離ればなれになった住民同士の距離も感じている。いつになったら伊豆山に戻れるのか、先が見通せない」と不安を口にした。

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