SNS 無党派に響いた? 衆院選候補者活用、静大生土屋さん分析

 自民党が単独で過半数の議席を獲得し、自公政権の継続が決まった衆院選。静岡県内8小選挙区の候補者23人のほとんどが選挙期間中、SNS(会員制交流サイト)でこまめに情報を発信した。候補者の人柄や政策を有権者に直接届ける手段として、SNSの活用は今や選挙戦で当たり前となっている。ただ、今回選を見る限り、与野党ともに無党派層を動かす“風”として生かし切れたとは言いがたい。政治家のSNS戦略などを支援する会社を起業した静岡大人文社会科学部3年の土屋宏斗さん(21)に、今回選を振り返ってもらった。

衆院選で県内候補者のSNSを分析する土屋宏斗さん=1日午前、静岡市駿河区の静岡大静岡キャンパス
衆院選で県内候補者のSNSを分析する土屋宏斗さん=1日午前、静岡市駿河区の静岡大静岡キャンパス

 土屋さんは5月の島田市長選や10月の牧之原市長選で現職陣営のインタビュー動画やホームページなどを手掛けたほか、今回の衆院選では地元愛知県の自民党候補を支えた。
 県内の候補者で土屋さんの評価が高かったのは、小選挙区で当選を果たした5区の無所属細野豪志氏と8区の立憲民主党源馬謙太郎氏。「細野さんは漫画や娘さんとの対談を載せたり、街頭演説に字幕を付けたりして映像もきれい。源馬さんはSNSチームの発信と本人の発信の使い分けが上手」と説明する。
 逆に「失敗」とみるのは小選挙区で敗れた自民党候補。「アカウントが二つあったが両方とも『事務所』と書かれ、違いが分からなかった。注目区だったのにもったいない」と厳しい採点になった。
 SNSでの情報発信が増えている一方、土屋さんは、現状ではそれが有権者の投票行動に結び付いていないと感じるという。今回選で小選挙区の県内投票率は54・81%と過去最低を記録。「嫌でも目に入るポスターや街宣車と違い、SNSは能動的にフォローしなくてはいけない。政治好きは見るが、無党派層に届けるのは難しい」と指摘する。
 それでも土屋さんは将来を悲観していない。「SNSを普段から使っている人は増えている。検索すれば情報が得られ、間口が広がる。SNSは武器になる」。今後は投票行動への影響力が増すとの見通しを示した。

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