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特集 : 熱海土石流災害

盛り土造成会社元幹部、暴力団との関係強調 熱海土石流

 熱海市伊豆山の大規模土石流の起点となった盛り土を造成した神奈川県小田原市の不動産管理会社(清算)の元幹部が、熱海市内の別の山林を宅地造成する際、土地を所有する地元住民らとの移転交渉で「必要な資金はヤクザから借りられる」などと話していたとみられることが、29日までの関係者への取材で分かった。

不動産管理会社の事務所の家宅捜索に入る県警の捜査員=29日午前10時15分ごろ、神奈川県小田原市
不動産管理会社の事務所の家宅捜索に入る県警の捜査員=29日午前10時15分ごろ、神奈川県小田原市

 関係者によると、元幹部は熱海市伊豆山での一連の土地改変行為を巡る行政とのやりとりでも暴力団などとの関わりをちらつかせていたという。静岡県警は元幹部と熱海市とのやりとりも含め、盛り土の造成に関わる経緯を調べるとみられる。
 県警は同日、業務上過失致死の疑いで、前日に続いて不動産管理会社の事務所を捜索した。関連資料を押収し、他の法令適用も視野に入れながら慎重に捜査を進める方針。
 元幹部は伊豆山の盛り土を含む周辺の土地を2006年9月に購入し、土地改変行為を始めた。関係者によると、この別の山林の宅地造成計画もほぼ同時期に始め、土地所有者への移転交渉を積極的に行っていた。地元の男性によると、元幹部は「今後、熱海の土地をどんどん買いたい」と話していたという。伊豆山を手始めに、市内の各地で開発行為を進める狙いがあったとみられる。
 不動産管理会社の小田原市内の関係先を訪ねた経験がある熱海市の男性は「(元幹部が)指定暴力団とつながっているので、資金があると強調したことが印象的だった」と振り返る。
 関係者によると、土地の造成開始後、現場では連日、もめ事が絶えず、作業員や現場監督らは頻繁に入れ替わったという。計画は土地買収が進まず、一部の道路や街路灯を整備しただけで頓挫した。
 不動産管理会社の事務所では29日午前10時すぎ、県警の捜査員約40人が元幹部とみられる人物の立ち会いの下で事務所に入った。同社が有する関連会社や関係者が多く、資料も膨大なため、連日の捜索活動となった。
 土石流で母親(77)を亡くした瀬下雄史さん(53)=千葉県=が8月、盛り土を造成した元幹部を業務上過失致死容疑で、11年に土地を購入した現所有者を重過失致死容疑で熱海署に告訴した。複数の遺族が近く、追加の刑事告訴をする方針。

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