テーマ : 熱海土石流災害

原因究明「大きな一歩」 遺族ら警察捜査に期待 熱海土石流

 「原因究明に向けた大きな一歩だ」。熱海市伊豆山の大規模土石流の起点となった盛り土を含む土地の現旧所有者の関係先に静岡県警が家宅捜索した28日、被災者は多くの生命や財産を奪った「人災」の立証と、不適切な盛り土を造成する悪徳業者への抑止に期待感を示した。遺族らでつくる「被害者の会」の弁護団は、現旧所有者を11月上旬にも殺人容疑で追加告訴することを明らかにした。

県警の家宅捜索を受け、被害者の会の記者会見に臨む加藤博太郎弁護士(右)と轟木博信弁護士。瀬下雄史会長はオンライン参加した=28日午後、都内
県警の家宅捜索を受け、被害者の会の記者会見に臨む加藤博太郎弁護士(右)と轟木博信弁護士。瀬下雄史会長はオンライン参加した=28日午後、都内
関係先の捜索を終え、引き揚げる静岡県警の捜査員=28日午後6時22分、神奈川県小田原市
関係先の捜索を終え、引き揚げる静岡県警の捜査員=28日午後6時22分、神奈川県小田原市
県警の家宅捜索を受け、被害者の会の記者会見に臨む加藤博太郎弁護士(右)と轟木博信弁護士。瀬下雄史会長はオンライン参加した=28日午後、都内
関係先の捜索を終え、引き揚げる静岡県警の捜査員=28日午後6時22分、神奈川県小田原市

 母親(77)を亡くし、2011年まで土地を所有した神奈川県小田原市の不動産管理会社(清算)の元幹部を業務上過失致死容疑で、現所有者を重過失致死容疑で告訴した瀬下雄史さん(53)=千葉県=は、弁護団が都内で開いた記者会見にオンラインで参加し、「想定よりも早い対応で大変心強い」と県警の対応を評価した。「違法に積まれた盛り土や残土が全国にたくさんある。安易に不法行為ができない世の中にするために非常に意義深い」とも語った。
 弁護団は現旧所有者に証拠隠滅や資産隠しの猶予を与えないため、刑事、民事の両面で迅速に法的措置を講じてきた。加藤博太郎弁護士は「包囲網はどんどん狭まっている。(現旧所有者は)強制捜査を受けて何か発言してほしい」と訴えた。
 土石流で自宅が流され、被害者の会に参加している田中均さん(64)も「真相をうやむやにさせてはならない。責任ある立場の人にしっかり裁きを受けさせてほしい」と捜査の進展に期待した。
 被害者の会は、県と熱海市が18日に公表した行政文書から現旧所有者が盛り土の危険性を予見できた可能性が強まったとして、再来週にも新たに複数の遺族が現旧所有者を刑事告訴する方針。告訴人になる意思を示している鈴木仁史さん(56)は「被害者には高齢者が多い。真相究明には時間がかかるかもしれないが、一日でも早く明らかにしてほしい」と切望した。
 一方、旧所有者の代理人は取材に「特に話すことはない」とコメント。現所有者の代理人は「(捜索に)全面的に協力した。要請された資料は全て渡した」と述べ、今後も協力する考えを示した。

熱海土石流災害の記事一覧

他の追っかけを読む