被災写真など洗浄終了 橋幸夫さん、ボランティアねぎらう 熱海

 熱海市伊豆山の大規模土石流で被災家屋から流出した写真などの拾得物を被災者に返却するために、洗浄、乾燥、仕分けなどの作業に当たってきた市民ボランティアの活動が26日、終了した。活動拠点の旧網代小には同市在住の歌手橋幸夫さん(78)や斉藤栄市長らが駆けつけ、ボランティアにねぎらいの言葉を掛けた。

拾得物の洗浄などに当たったボランティアをねぎらう橋さん(左)=熱海市の旧網代小
拾得物の洗浄などに当たったボランティアをねぎらう橋さん(左)=熱海市の旧網代小

 拾得物は警察、自衛隊、消防が捜索活動と並行して集めたり、市職員が回収したりした。写真だけでも6万点超に上る。泥だらけのまま運び込まれた品々を、熱海花の会と市赤十字奉仕団のメンバーが丁寧に洗浄し、市が今月8日から被災者に返却を開始した。25日までに39世帯の元に戻ったという。
 夏場から作業していたボランティアの体調を気に掛けていたという橋さんは「こういう人たちが日本にまだ多くいるということは、大きな励ましになる。助け合うことの美しさを感じた」と述べた。斉藤市長も「皆さんの思いをしっかり受け止め、被災者への返還に努める」と感謝した。
 熱海花の会の土屋都さん(78)は「(被災者のために)何かできないかという思いで始めた。多くの人にこれほど感謝してもらえる仕事だとは思わなかった」と振り返った。

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