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特集 : 福祉・介護

6区/高齢者の移動支援 継続難しく【衆院選|静岡の課題】

 21日の昼下がり、西伊豆町仁科の食料品店に「買い物支援活動中」のステッカーを貼った軽乗用車が止まった。住民ボランティアが高齢者の降車を手助けし、寄り添いながら店内へ入っていく。買い物が終わると、再び自宅に送り届けた。

高齢者の移動支援に取り組む住民有志ら。活動は担い手不足の問題を抱える=21日、西伊豆町
高齢者の移動支援に取り組む住民有志ら。活動は担い手不足の問題を抱える=21日、西伊豆町
6区
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高齢者の移動支援に取り組む住民有志ら。活動は担い手不足の問題を抱える=21日、西伊豆町
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 「この地域は公共交通網が脆弱(ぜいじゃく)なため、住民が果たす移動支援の役割は大きい」。ボランティアをまとめる佐野勝国代表(76)は語る。活動は地元NPO法人の車両提供を受け、2018年9月から続けている。しかし、ボランティアも高齢化が進み「後継者が確保できないと維持が難しい」(佐野代表)という懸念を抱える。
 高齢者ら交通弱者の足として、住民主体による移動支援の必要性は年々高まっている。県は19年度から、各市町と連携した運転ボランティアの養成講座や実証実験に力を入れ、県内のボランティア団体は増加傾向にある。高齢化率が高い賀茂地域では本年度中に全市町で実証実験が終わる見通しで、導入への動きが急ピッチで進む。
 ただ、担い手不足に加え、コストの問題から導入しても継続は容易ではない。道路運送法で登録が不要な移動支援は原則、利用者に運賃を請求できず、行政の補助で運営が成り立つケースが多い。そのため、財源が乏しい過疎地域の小規模自治体では柔軟性や継続性に課題を抱え「国の手厚い支援が不可欠になる」(西伊豆町健康福祉課)。
 介護保険の財源を活用した「訪問型サービスD」としての運用も可能だが、対象者が要支援者などに限られ、幅広い支援につながりにくい側面もある。こうした状況に対し、NPO法人全国移動ネット(東京都)の河崎民子副理事長は「自治体ごと高齢化率や財源が異なる。国の全国一律の制度で、それぞれが柔軟な移動支援の仕組みを構築するのは限界がある」と指摘する。
 西伊豆町の山あい、宮ケ原地区の後藤智男さん(87)は運転免許を返納して1年半近くになる。近隣住民の支えで通院や買い物に出掛ける生活を送るが、不安は大きい。「高齢者ばかりのこの集落はいずれ助けを借りるのも難しくなる。移動支援の広がりを願うばかり」と語った。

 Q 高齢者の移動手段の確保が急務になっています。伊豆・東部では運転ボランティアの養成などが進む中、どのような対策を考えますか。

 勝俣孝明氏(自民前)
 現在、鉄道会社や地方自治体と鉄道駅のバリアフリー化について検討を進めている。次世代交通サービス「MaaS(マース)」の推進など、今後も高齢者をはじめとした移動手段の確保に全力を尽くしていく。

 山下洸棋氏(維新新)
 ライドシェアにおける複数の交通サービスを情報技術(IT)で統合し、一括して予約、決済する仕組みなどを地方でも推進する。将来に向けた対応としては国内の自動運転技術の発展を支援し、実現を目指す。

 渡辺周氏(立民前)
 公費支援による低料金巡回タクシーやコミュニティーバスの促進、定着が必要と考える。早朝や夕刻は通学を中心に、日中は高齢者の買い物や通院の移動手段として活用を進めるなど、効率化を図っていく。

いい茶0

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