記者コラム「清流」 被災者からの温かい一言

 熱海市で土石流が発生した数日後、現地に取材に入った。どんな言葉をかけ、どんな原稿を書くべきなのか。取材をすることが被災者を傷つけてしまうのではと悩みながら伊豆山を歩き回った。
 9月、壊れた自宅から仮設住宅へ引っ越しする女性(78)に話を聞いた。「数年は戻ってはこられないけど、引っ越し先の近所に知り合いがいるから心強い」と前向きな言葉を口にした。最後に「雨の中ありがとう。頑張ってね」の温かい一言に、自分が励まされた。
 被災者の苦しみは今も続いている。それでも、前を向こうとする人もたくさんいる。記者になって半年。限られた字数で伝える難しさに落ち込むこともあるが、女性の言葉を胸に留め、前のめりで仕事に励みたい。

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