宿泊施設、予約徐々に 静岡県の観光促進事業18日再開

 静岡県民対象の県の観光促進事業が18日に再開されるのを前に、県内観光地の宿泊施設には徐々に予約が入り始めている。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着きつつある中、冷え切った地域経済の再活性に期待がかかる。19日の衆院選公示を目前に控え、事業者は将来的なインバウンド(訪日外国人客)の需要回復に期待しつつ、各政党に活発な観光政策の論戦を求める。

静岡県の安全・安心認証のステッカー(左手前)を掲示する陽気館。感染対策を万全に受け入れを待つ=15日、伊東市
静岡県の安全・安心認証のステッカー(左手前)を掲示する陽気館。感染対策を万全に受け入れを待つ=15日、伊東市

 「少しずつ予約が入ってきた。ただ、まだ様子見の人も多いのでは」。伊東市の旅館「陽気館」の稲葉明久専務取締役(57)はこう分析する。12日に県から安全・安心認証のステッカーなどが届き、宿泊客に見える形で感染への備えを示す。
 市内の宿泊施設は首都圏からの利用者が多くを占める。切望するのは国の観光支援事業「Go To トラベル」の早期再開。コロナ禍前は一定数あったインバウンドも待ち遠しい。政府には「海外からの入国制限を早めに緩和してもらえたら」と観光業者の思いを代弁する。
 浜松市西区の旅館「時わすれ開華亭」も県事業の再開が伝えられた8日以降、予約が徐々に入り始めた。金原貴社長は「キャンペーンはありがたいが、その後の展望をどう描くかが課題」と語る。昨年7月から実施されたGoToトラベルでは、金原社長が会長を務める舘山寺温泉観光協会でも全国と同様、料金が比較的高い施設に人気が集まった。「不公平感は否めなかった」と明かす。
 協会は11月に浜名湖上で舞台芸術を計画するなど、舘山寺エリアの魅力向上に取り組む。15日には高級旅館「ホテル九重」の月末での営業終了が公表され、地元観光業者の危機感は高まる。再開が検討されるGoToトラベルの“即効性”に期待する一方、新政権には「将来的にインバウンド需要が戻った時に、受け皿となる宿泊施設が残っていられるよう息の長い振興策を打ち出してほしい」と求める。

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