地元に衝撃、落胆、惜別 舘山寺宿泊の象徴「ホテル九重」閉館発表

 浜松市や浜名湖の観光をけん引し、舘山寺温泉街のシンボル的存在だった高級旅館「ホテル九重」(同市西区)の営業終了が発表された15日、地元に衝撃が広がった。コロナ禍で昨春から休業状態だっただけに、観光や飲食関係者からは「やはり閉鎖か」との落胆とともに、昭和のバブル期などにぎわった時代を懐かしみ、残念がる声も聞かれた。

ホテル九重に続く入り口。立ち入り禁止の張り紙やバリケードが設置されている=15日午後、浜松市西区の舘山寺門前通り
ホテル九重に続く入り口。立ち入り禁止の張り紙やバリケードが設置されている=15日午後、浜松市西区の舘山寺門前通り
10月末の営業終了が決まった「ホテル九重」=15日午後、浜松市西区
10月末の営業終了が決まった「ホテル九重」=15日午後、浜松市西区
10月末の営業終了が決まった「ホテル九重」=15日午後、浜松市西区
10月末の営業終了が決まった「ホテル九重」=15日午後、浜松市西区
ホテル九重に続く入り口。立ち入り禁止の張り紙やバリケードが設置されている=15日午後、浜松市西区の舘山寺門前通り
10月末の営業終了が決まった「ホテル九重」=15日午後、浜松市西区
10月末の営業終了が決まった「ホテル九重」=15日午後、浜松市西区

 温泉街メインストリートの商店主らでつくる門前通り振興会の新村浩利所長(74)は「寂しくなるなあ」と肩を落とした。1980~90年代のバブル期は、毎日のように団体客を乗せた観光バスが九重に到着し、商店街も繁盛した。2年前に代表を長男に継いだウナギ料理店「松の家」は当時、忙しさを極めたという。「九重の知名度が地域を引っ張ってくれた」と感謝する。
 「大変残念だ」と語るのは、1919年創業で地区最古の歴史を持つ旅館「山水館欣龍」の新村有司社長(45)。87年に山水館の向かいに開業した九重は高級和風旅館の風格があり、囲碁の碁聖戦の対局場になったほか、皇族や著名人も立ち寄った。「九重がリーダーシップを発揮してくれたから頑張れた」と話す一方、休館中の九重敷地内に続く入り口に設置されたバリケードや、今後の九重を巡って飛び交うさまざまなうわさが舘山寺のイメージを損ねないかと心配していたという。「解体が決まり、すっきりした気持ちもある」と明かす。
 跡地を売却せずに活用を検討するとした遠鉄の方針に、舘山寺温泉観光協会の佐藤英年専務理事(81)は「コロナが落ち着き、時が来たら観光に生かしてくれるだろう」と期待を込めた。協会は、湖を挟んで九重の向かいにそびえる大草山(標高113メートル)の整備に取り組んでいる。「一等地を再び利用してもらえるよう振興に努めたい」と語った。
 一方、別の地元関係者からは「1年半も休館した上で跡地を更地にするだけでは困る。遠鉄には今後の方針を早く示してほしい」との苦言も聞かれた。
 

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