舘山寺ホテル九重 10月末で営業終了 建物解体、跡地利用未定

 遠州鉄道は15日の取締役会で、グループの遠鉄観光開発が運営する浜松市西区舘山寺町の高級旅館「ホテル九重」の営業を10月で終了することを決めた。1987年の開業以来、団体客を中心に全国から集客し、浜名湖エリアの観光をけん引した。老朽化した建物は11月から約2年をかけて解体するが、跡地利用策は未定。コロナ禍からの巻き返しを図る舘山寺地区の観光関係者にとって、象徴とも言える施設の閉鎖は大きな痛手となる。

10月末の営業終了が決まった「ホテル九重」(写真中央)=15日午後、浜松市西区(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から、写真部・坂本豊)
10月末の営業終了が決まった「ホテル九重」(写真中央)=15日午後、浜松市西区(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から、写真部・坂本豊)
ホテル九重=浜松市西区舘山寺町
ホテル九重=浜松市西区舘山寺町
10月末の営業終了が決まった「ホテル九重」(写真中央)=15日午後、浜松市西区(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から、写真部・坂本豊)
ホテル九重=浜松市西区舘山寺町

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年4月から約1年半にわたり休業していた。同日の記者会見で遠鉄の丸山晃司専務はコロナの影響に加え、顧客ニーズの変化、休業期間中の施設の急速な老朽化を閉鎖の要因に挙げた。「舘山寺地区にとっても、遠鉄グループにとっても非常に重要な場所。跡地は売却しない。コロナ後の社会の変化を見据え、地域のために有効な活用策を考える」と述べる一方、具体的な再生計画は決まっていないと説明した。
 コロナ禍前の従業員約150人はグループ内で配置転換済みという。
 浜名湖畔にある同ホテルは10階建て86室で、総工費約100億円。高級和風旅館のコンセプトで高い知名度を誇り、開業以来、約255万人が宿泊した。売上高40億円を達成した1991年度をピークに、団体旅行から個人旅行へのシフトに伴って来客数は徐々に減少した。2006年度に20億円規模の館内改修で挽回を図ったが、19年度は売上高18億円と開業初年度を除いて最も落ち込んだ。
 遠鉄観光開発の河合正志社長は「施設が大規模で個人向けには一気に切り替えられなかった」と述べた。
 舘山寺温泉観光協会によると、平成に入った1989年以降、舘山寺温泉街で大型宿泊施設の閉鎖は初めて。

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