記者コラム「清流」 被災地の復興と心の傷

 熱海市伊豆山の大規模土石流発生から3カ月以上にわたり通行止めになっていた現地の市道伊豆山神社線の規制が11日に解除された。これで被災地を通る基幹道路は全て車での通行が可能になった。不便を強いられていた住民にとって、待望の日だったに違いない。
 車で箱根峠を経由したり、JR東海道線で湯河原駅まで出てからタクシーを利用したりして現場に向かっていた発生当初の取材を思い返すと、自分自身も感慨深かった。
 大量の土砂やがれきを撤去し続けてくれた建設作業員には感謝してもしきれない。被災地の復旧は着実に前進している。その一方で「まだ前を向けない」と苦しむ遺族や被災者がいることを忘れてはならない。心の復旧に焦りは禁物だ。
 (熱海支局・豊竹喬)

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