リニア水問題 3候補とも「工事進めず」 具体的主張に違いも【参院静岡補選】

 参院静岡選挙区補欠選挙(24日投開票)で、リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に伴う大井川の水問題を巡っては、3候補とも現状のままトンネル工事を進めない方向性は一致しているが、具体的な主張に違いも見られる。水問題が争点になった6月の知事選の影響が尾を引き、事業の在り方にも議論が及んでいる。

水を使う工場などが立地する大井川の下流域。リニア工事による減水が懸念されている=今年2月(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
水を使う工場などが立地する大井川の下流域。リニア工事による減水が懸念されている=今年2月(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)

 
 ■納得を重視 若林氏
 「同意が得られないのなら(トンネル工事を)やってはいけない」。自民党新人の若林洋平氏(49)=公明推薦=は12日、島田市内の街頭演説で声を張り上げた。この日は染谷絹代島田市長が駆け付けて応援演説した。
 若林氏は演説で着工判断は流域首長の意向に従うと強調。掛川市での10日の意見交換会でも茶農家の懸念の声に「納得は一番必要だ」と丁寧に応じ、「根拠を持って説明しないと(同意は)無理だ」と科学的根拠を重視する方針も示した。ただ、水問題は「国政選挙の争点ではない」(陣営)と位置付ける。
 ■政権批判 山崎氏
 科学的根拠を重視する考え方は、無所属新人の山崎真之輔氏(40)=立民、国民推薦=も同じだが、流域以外でも政権批判を絡めて水問題に触れる。9日の静岡市での街頭演説では、国や県の有識者会議が科学的な結論を出す前に事業推進の指示を出した岸田文雄首相の姿勢に「浮足立っている。おかしい」と疑問を呈した。
 応援に立った川勝平太知事は県や利水者が求める減水対策に応じないJR東海を批判した上で「大井川と関係なくリニアを整備すると言う(岸田政権は)決して許せない」と語気を強めた。
 ■取り消しを 鈴木氏
 リニア事業中止の方向性を前面に出すのは共産党新人の鈴木千佳氏(50)。「リニアは時代遅れの事業だ」などと各地で主張を繰り返す。
 告示日の7日には田村智子党政策委員長が県庁でリニア問題について記者会見し、争点化する姿勢を示した。「リモート対話が広がり、出張ニーズは減っている。コロナ禍でリニアを必要とする社会的前提が崩れている」と事業認可取り消しを提言した。

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