求職者「スカウト」に成果 浜松商議所、市内就職・転職支援を加速

 浜松商工会議所は浜松市内への就職、転職希望者の支援事業を加速している。希望者が商議所職員と無料通信アプリLINEで相談できるサービスは、導入5年目で内定を支援した人数が500人を超えた。4月からは全国の商議所で初めて、会員企業が求職者の情報を見て連絡する「スカウティングサービス」をスタートし、その成果も見え始めている。

8月に林角本店に採用され、上司から研修を受ける伊藤亘さん(左)=10月上旬、浜松市東区の同社非鉄金属部
8月に林角本店に採用され、上司から研修を受ける伊藤亘さん(左)=10月上旬、浜松市東区の同社非鉄金属部

 愛知県岡崎市出身の伊藤亘さん(36)は8月中旬、非鉄金属材料の卸売業などを手掛ける林角本店(浜松市中区)への就職が決まった。半導体部品を扱う商社での営業職や海外留学を経て、新たな土地で再挑戦しようと5月にスカウティング専用サイトに登録した。サイトを通じて会社側と直接メッセージをやりとりし、面接を経て採用された。
 伊藤さんは「企業からオファーが届くため前向きに就職活動が進んだ。断る際はサイトのボタン一つででき、心理的な負担が少なかった」と振り返る。同市東区に新拠点を設立し、営業力強化を課題にしていた同社の林毅代表は「人材紹介会社は費用が高額で利用をためらった。短期間で、のどから手が出るほど欲しい人材を採用できた」と手応えを語る。
 スカウティングはUターン就職を希望する新卒採用にも活用されている。「企業との間に商議所が入るので安心して利用でき、相談にも応じてもらえた」と話すのは名古屋市内の大学4年の女子学生(23)。家庭の事情などで浜松市内への来春の就職を希望し、実家からほど近いバネ販売のサミニ(同市南区)から内定を得た。
 LINE相談のサービス登録者は現在、約4500人。一方、スカウティングの利用者は約130人にとどまっていて、商議所の担当者は課題に挙げる。「利用方法を普及し、浜松で働きたいという求職者の希望をできるだけ多く実現させたい」と意気込む。
 

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