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社説(10月13日)白鵬の年寄襲名 角界支える後進育成を

 史上最多の優勝45回を誇る横綱白鵬が引退し、年寄「間垣」を襲名した。今後は宮城野部屋付き親方として後進を指導する。一つの時代が終わった角界に、新たなスター力士の育成が求められる。
 日本相撲協会は白鵬の年寄襲名に関して「大相撲の伝統文化、精神、しきたりを守り、逸脱した言動を行わないこと」などの事項を厳守する条件を付けた。白鵬が誓約書に署名し、異例の形で承認された。現役時代の問題行動から、厳しい姿勢を見せた協会の対応はやむを得ない。
 15歳でモンゴルから来日し、2001年に初土俵を踏んだ。稽古では四股など基本を徹底し、瞬発力とバネを生かした多彩な技で07年に横綱昇進。10年には双葉山の69連勝に次ぐ史上2位の63連勝をマークするなど圧倒的な力を見せた。20年の土俵人生で通算1187勝、横綱在位84場所など数々の記録を塗り替えたことは称賛したい。
 強さの一方で、言動には批判がつきまとった。勝負判定について審判部に抗議したり、優勝インタビュー後に観客に万歳三唱を求めたりするなど横綱の品格を問われた。
 現役終盤は右膝などのけがで思い通りの相撲が取れなくなったが、「鬼となって勝ちにいくのが横綱」と土俵では勝負に徹した。だが、かち上げや張り手などの激しい取り口は横綱審議委員会から問題視された。
 白鵬は19年に日本国籍を取得し、引退後に親方として日本相撲協会に残る資格を得た。年寄襲名資格に「日本国籍を有する者」と規定がある。現役時代に活躍しても、技術や心構えを次代に伝えられない外国出身力士も多い。相撲界の将来や国際化を考えれば、規定について議論があっていい。
 白鵬は引退会見で、9月の秋場所で新横綱優勝を果たしたモンゴル出身の後輩、照ノ富士を後継に指名した。照ノ富士が所属する伊勢ケ浜部屋には十両翠[みどり]富士(焼津市出身)や幕下熱海富士(熱海市出身)らがいる。照ノ富士と共に角界を引っ張る存在となるよう相撲道に励んでほしい。
 白鵬は「次の時代に引き継ぐことが大事」と、10年から小中学生の相撲大会「白鵬杯」を主催してきた。時津風部屋の幕下吉井(焼津市出身)ら大会出身の力士が大相撲で順調に育っている。
 高校時代に白鵬からスカウトされた雷鵬(富士宮市出身)が今年、24歳で宮城野部屋に入門した。大学卒業後に静岡県内の企業に就職したが、コロナ禍でアマの大会がなくなり、角界入りした。間垣親方の指導に応える活躍を期待したい。

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