立民/共産「共闘」加速 自民「野合」と批判 衆院選・静岡県内

 19日の衆院選公示まで1週間を切る中、県内の選挙区で立憲民主党と共産党の候補者調整が加速している。共産が静岡8区に続き1区も候補者を取り下げる方針を固め、両党は1区で共闘、8区で一本化にこぎ着ける見通しとなった。各選挙区の事情と思惑が複雑に絡む中、党本部主導で進む動きに対して立民の陣営関係者には歓迎と困惑が交錯する。

 「候補者を最大限に一本化するのは、野党第1党の責務だ」。12日に国会内で記者会見した立民の平野博文選対委員長は強調した。福山哲郎幹事長は「詰めの真っ最中」と述べ、全国で進めている共産との調整の決着が近いことを示唆した。
 1区の立民新人遠藤行洋氏にとって、共産元職島津幸広氏の出馬取り下げは“追い風”となる。島津氏は比例区の単独候補に回る見込みで、連動した選挙戦を期待できる。遠藤氏は「党本部から連絡はない」と前置きしつつ、「共産党は重い決断だったはず。自公政権と対峙(たいじ)できる」と歓迎する。
 ただ、1区の野党系候補には国民民主党の元職高橋美穂氏、日本維新の会の公認を目指す現職青山雅幸氏もいて、乱立の構図は変わらない。自民現職の上川陽子氏の陣営関係者は立民と共産の動きを「政策そっちのけの野合だ」と批判する。
 一方、静岡8区は自民重鎮の現職塩谷立氏に対抗するため、立民現職の源馬謙太郎氏に一本化が図られる見通しとなったが、推薦を受ける連合静岡が共産と歴史的に対立してきたしこりが残る。連合には共産に対する強いアレルギーがある関係者も多く、どの程度の票の上積みになるか見通せないと指摘する声もある。出馬を見送る共産の平賀高成氏は「打倒自公政権の一翼を担えるなら」と協力に前向きな意向を示しつつも、支援の形はこれからだ。
 残る焦点は共産が唯一、新人山口祐樹氏擁立の姿勢を維持する2区。地元の共産市議は「2区はリニアと浜岡原発の問題があり、他の区とは違うというのが党の見方」と理由を明かす。立民新人福村隆氏の陣営幹部は「ぜひ共闘したかったのだが、折れてくれなかった」と肩を落とす。それでも、自民現職井林辰憲氏の陣営幹部は「共産が引くと野党票が固まる。脅威だ」と警戒を解いていない。

 共産 1区出馬取り下げ 島津氏は比例単独へ
 共産党は19日公示、31日投開票の衆院選に向け、党公認で静岡1区からの出馬を表明していた元職島津幸広氏(64)の小選挙区出馬を取りやめ、比例東海ブロック単独候補とする方針を固めた。12日までに関係者への取材で分かった。
 公職選挙法では、小選挙区と比例代表の重複候補が比例復活で当選するには、小選挙区で有効投票総数の10%以上を獲得する条件を定めている。
 1区は与野党の候補者乱立が予想され、比例復活当選が厳しいため比例単独候補への変更を判断したとみられる。
 1区では自民党現職上川陽子氏(68)、無所属現職青山雅幸氏(59)、国民民主党元職高橋美穂氏(56)、立憲民主党新人遠藤行洋氏(59)が出馬を予定している。
 共産は8区への擁立も取り下げる方針で、小選挙区の立候補予定は2区のみとなる。

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