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特集 : こち女

受け継いだ帯、新たな姿に 磐田・白幡さんが「切らない」装飾考案

 磐田市中泉の白幡磨美さん(44)が、着物の帯一本をそのまま生かして折り重ね、丸め、結んで立体的に仕立てる装飾芸術を考案し、「ORIOBI(折り帯)」と名付けて制作に取り組んでいる。着物を着る機会が減る中、「数億枚ともいわれるたんすに眠る帯を新たな形で輝かせたい。日本の伝統美に改めて目を向けてほしい」と思いを込める。

ORIOBIの一例。作品はホームページで紹介している
ORIOBIの一例。作品はホームページで紹介している
帯の模様や質感を生かしながら創作する白幡磨美さん=9月下旬、磐田市内
帯の模様や質感を生かしながら創作する白幡磨美さん=9月下旬、磐田市内
ORIOBIの一例。作品はホームページで紹介している
帯の模様や質感を生かしながら創作する白幡磨美さん=9月下旬、磐田市内

 きっかけは15年ほど前、遠方の祖母から「古くてもう使わないから」と帯を譲り受けた時のこと。美しい模様部分を切って縫い、テーブルセンターやコースターに作り替えた。一方、祖母に報告すると予想しなかった反応があった。帯にハサミを入れたことを残念がる心情を会話から感じ、「帯がたどった歴史や持ち主の気持ちに思いが至らなかった。とても後悔した」という。
 新たに帯の価値を見つめ直し、袋帯や名古屋帯、半幅帯など質感も模様もそれぞれ異なる帯を丸ごと生かせる方法が無いかと模索し、行き着いたのが折り紙の視点を用いたORIOBIだった。自身の感性で独自の装飾パターンを蓄積。2020年から本格的に事業活動を始めた。現在は冠婚葬祭やインテリア向け作品を受注したり、西陣織で知られる一大産地があり着物文化が根づく京都府内を中心に、展示会で作品を披露したりしている。
 制作で大切にしていることは「帯にまつわる家族との思い出、記念日などのエピソードに耳を傾け、作品に投影すること」。結婚する両家から一本ずつ提供を受けた帯を組み合わせた作品をはじめ、ちょう結びを重ねて和菓子の練り切りのような華やかな形状に仕上げたり、シックな色合いの帯を柳の枝のように垂らして飾ったり。用途によってアレンジし、唯一無二の作品ができあがる。端切れを使ったミニチュアアクセサリーも手掛ける。
 これまで地元での活動は少なかったが、今後はワークショップや教室開催などに活動を広げていく考え。新型コロナウイルス収束後は「日本が誇る技術や伝統を伝える一策として、外国の方にもORIOBIを紹介したい」と夢を描く。

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