告示早々“大物”続々 衆院選へ与野党思惑【参院静岡補選】

 岸田文雄政権が発足してから初の国政選挙となる参院静岡選挙区補欠選挙(欠員1)が告示された7日、立候補した自民新人の元御殿場市長若林洋平(49)=公明推薦=、無所属新人の元県議山崎真之輔(40)=立民、国民推薦=、共産新人の党県女性・子育て部長鈴木千佳(50)の3氏の応援で、各党から大物弁士が続々と本県入りした。31日投開票の衆院選も見据え、与野党の思惑が交錯する中、静岡の地で決戦の火ぶたが切られた。

応援演説を終え有権者とグータッチを交わす岸田文雄首相(中央)=7日午後0時半ごろ、静岡市駿河区
応援演説を終え有権者とグータッチを交わす岸田文雄首相(中央)=7日午後0時半ごろ、静岡市駿河区


 ■選挙の顔 
 岸田首相にとって就任後初の地方遊説。JR静岡駅南口に立つと「全国から注目される大変重要な選挙。この国難で日本の未来を岸田に任せるか、皆さんに判断いただく」と言葉に力を込めた。
 選挙の顔として存在感を示すためには、勝利が不可欠だ。「経済対策、コロナ対策、思い切ったことを実現するため、この選挙で皆さんのしっかりとした意思をいただきたい」と訴えた。
 陣営によると、演説の聴衆は1500人で、幹部は動員力に驚いた。7日午前の第一声には党組織運動本部長を務める小渕優子衆院議員も駆け付けた。

 ■両代表そろわず
 立民、国民両党は推薦する山崎候補の応援で自公政権との対決姿勢を鮮明にした。衆院選の前哨戦として野党共闘の存在感をアピールする絶好機。だが、代表そろい踏みの見せ場は作れなかった。
 国民は玉木雄一郎代表が出陣式に出席。夜には大塚耕平代表代行が浜松市の街頭演説に駆け付け「安倍、菅政権のやってきた政策のおかしな点を転換してくれということを、岸田首相に突きつける選挙だ」と強調した。
 一方、立民の枝野幸男代表は県内入りしなかった。出陣式の応援は杉尾秀哉副幹事長が担い「自公政権に退場を迫る」と訴えた。

 ■〝一体〟位置づけ
 参院補選と衆院選を“一体”と位置づける共産党は、田村智子政策委員長が静岡、浜松両市で熱弁を振るった。リニア中央新幹線の建設中止や浜岡原発廃炉の主張を党の気候変動対策に絡めて訴え、自公政権を批判した。
 参院補選は野党の候補者一本化に至らず独自候補で戦う一方、会場には野党共闘による政権交代をアピールするのぼり旗を掲げた。衆院選の比例票獲得に向け県全域に党の政策を浸透させる狙いがにじむ。田村氏は「自民党政治を終わらせ、市民と野党の共闘による政権交代の大波を参院補選から起こす」と前哨戦の意義を強調した。

 ■「新首相見たい!」人だかり JR静岡駅南口
 岸田文雄首相が自民新人の若林洋平候補の応援演説で来静した7日正午すぎ、JR静岡駅南口には新首相を一目見ようと改札口前から黒山の人だかりができた。首相が現れると群衆は一斉にスマートフォンをかざし、「就任おめでとう」という声も上がって周囲は熱気に包まれた。
 別の用事で通り掛かった静岡市駿河区の30代女性は「コロナ禍前のようなにぎわい」と驚いた様子。首相の後を追いながら「クラスターが起きないといいけれど」とつぶやく人も。党員が集まった人に大声を上げないよう求め、聴衆も首相の投げ掛けに拍手で応じた。
 首相の姿を撮影しようと昼休みに一眼レフを持参した吉田町の男子高校生(16)は「国を代表する人の声を直接聞くことができて良かった」と笑顔を見せた。
 

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