小麦ふすまのコカラパン 和楽(三島市) 独自製法 健康と味両立【静岡ものづくり最前線】

 豊富な食物繊維と低糖質。小麦の外皮など「ふすま」と呼ばれる部分を焙煎(ばいせん)微粉砕したコカラを原料とし、特有のにおいとボソボソした食感を独自製法で解消した。7月にオープンした「コカラベーカリー」は、健康と味にこだわったパンを売り出している。

小麦ふすまのコカラを原料に使用したパン
小麦ふすまのコカラを原料に使用したパン

 運営するのは今年で創業100年を迎える老舗酒販業「和楽」。新型コロナウイルスの影響で酒類の提供自粛が全国的に広がる中、経営リスクの分散と新たな挑戦として三島市役所前に店を構えた。コカラをベースとした食パンや総菜パン、菓子パンなど30種類の商品が並ぶ。
 独特なにおいと食感が食材として敬遠され、本来なら捨てられる小麦ふすま。その欠点を独自製法で克服し、パンの原料に占めるコカラの割合を20~30%に高めた。同社によると、食パンに含まれる食物繊維は従来比で1・7倍、糖質は27%カット。パン生地の密度が高く、しっとりして食べ応えのあるパンに仕上げた。
 ワインやチーズとの相性が良く、酒販業との連携も模索する。川名正洋社長(55)は「どんなに体に良くてもおいしくなければ続かない」と語る。毎日、健康に、おいしく―を提供する。

 企業情報 三島市西本町1の2。1921年創業。従業員27人。コカラベーカリーは三島市大社町2の22。

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