SPAC「みつばち共和国」公演 演出のシェフェールさん「美しい生態系伝えたい」

 静岡県舞台芸術センター(SPAC)が国内外の名作を届ける公演シリーズ「秋→春のシーズン」が静岡市駿河区の静岡芸術劇場で始まった。開幕を飾る「みつばち共和国」は、ハチの巣の四季を見つめながら環境問題にも意識を巡らす。舞台化したフランス演出家のセリーヌ・シェフェールは「美しい生態系の神秘と危機を、演劇の手法で伝えたい」と話す。

「(フランス演出家の)クロード・レジの舞台を通じてメーテルリンクをたくさん読むようになった」と話すセリーヌ・シェフェール=静岡市駿河区の静岡芸術劇場
「(フランス演出家の)クロード・レジの舞台を通じてメーテルリンクをたくさん読むようになった」と話すセリーヌ・シェフェール=静岡市駿河区の静岡芸術劇場
「みつばち共和国」より
「みつばち共和国」より
「(フランス演出家の)クロード・レジの舞台を通じてメーテルリンクをたくさん読むようになった」と話すセリーヌ・シェフェール=静岡市駿河区の静岡芸術劇場
「みつばち共和国」より

 卵を産む女王バチ、花粉運びにせわしく動き回る働きバチ、女王バチに吸い寄せられる雄バチ-。季節ごとの営みはきまじめでつつましく、時に非情だ。3人の俳優が数万の群れと養蜂家を演じる。
 ノーベル文学賞作家メーテルリンクのエッセー「蜜蜂の生活」に基づく脚本。シェフェールは詩的なナレーションやダンス、鮮やかな映像を織り交ぜて舞台化した。
 造形美術家として、また演出家として自然と人間の関係性を追究してきた。「子どもに優しく伝えるのではなく、大人にも向き合ってほしい内容と感じた」。フランスでの環境保護への関心が創作の決意を後押しした。
 組織と秩序を持つ社会的な動物という観点から、「共和国」の言葉をタイトルに据えた。「生態系の形成と維持はさまざまな要素が複雑に絡み、人知を超えて機能している。壮大な美しさを演劇的に再現した」。半面、準備の中で伝えるべきメッセージや教えにも気付かされた。
 養蜂家を取材し「20年前より、そして10年前よりハチの寿命が短くなっていると聞かされた。人間によって生息環境が脅かされている現実がある」。おとぎ話のような物語は未来への危惧にも触れる。
 昨年の同シリーズでも上演し、劇場を替えての再演となる。新型コロナウイルス禍で来日できなかった前回はフランスからのリモート演出だったが「今年は俳優と空間を共有しながら制作できた。細かな演出まで感じとってもらえたらうれしい」。
 <メモ>「みつばち共和国」の一般公演は9、10、23、24日に静岡芸術劇場、11月27日に下田市民文化会館。平日には学校単位で中高生を招待する無料公演がある。問い合わせはSPACチケットセンター<電054(202)3399>へ。

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