大井川湧水の全量戻し、工事中も含む 知事、流量問題で見解

 リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、川勝平太知事は6日の定例記者会見で、静岡県や利水者が求める減水対策「トンネル湧水の全量戻し」について、減水の影響が大きくなる貫通前の工事期間中も湧水を大井川に戻さない限り着工は認めず、JR東海が山梨、長野側から進めている同トンネル工事を中止すべきとする見解を示した。
 同トンネルは大井川の下を掘削するため、国土交通省専門家会議は地質や降水量などの状況次第で、中下流域の水量が減る可能性を指摘している。
 「全量戻し」の意味について同社の宇野護副社長は9月、「(全量戻しの表明時は)極端に言うと工事後の話をしていた。(工事後と工事中を)区別していなかった」と説明。これに対し川勝知事は、一貫して「工事期間中を含めた全量」という認識だったと強調した。
 JRが解決策として提示した「掘削後10~20年かけて山梨県に流出した分の水を大井川に戻す案」を川勝知事は「(流域は)到底受け入れられない」とし、同社の金子慎社長が9月の流域市町長との意見交換会で「流域の懸念をそのままにして工事を進めない」と言及したことを念頭に、「(県側が求める)全量戻しを受け入れないのなら工事をやめるのが約束だ」と同社に求めた。
 岸田内閣発足に当たって発表したコメントで中止を求めた「リニア工事」は、「南アルプストンネルに限定した」とする解釈を示し、工事中止後の対応は同社が考えるべきだとした。リニア事業そのものは「(東海道新幹線の)ひかりやこだまが増えるメリットが本県にある」と反対しない姿勢を示した。

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