岸田首相 リニア整備指示 国交相へ「経済圏の統合促す」

 岸田文雄新首相は5日までに、リニア中央新幹線などの高速鉄道整備を進めるよう斉藤鉄夫国土交通相に指示した。斉藤氏が同日の就任記者会見で明らかにした。県は大井川の流量減少の懸念から、リニア静岡工区の着工を認めていない。
 斉藤氏は首相から「リニア中央新幹線をはじめとした高速鉄道など地方を結ぶインフラ整備が経済圏の統合を促し、豊かな田園都市国家を支えることに留意し、交通網の整備に取り組むこと」と指示を受けたという。
 川勝平太知事が4日、JR東海にリニア工事を中止させるよう新内閣に要望したことに関し、斉藤氏は「リニアは三大都市圏間の人の流れを劇的に変え、国民生活や経済活動に大きなインパクトをもたらす重要な事業だ」と否定的な考えを示した。品川―名古屋間の工区のうち約9割で工事が進んでいる点なども理由に挙げた。
 国交省の専門家会議は次回会合で工事に伴うトンネル湧水を全量戻せば中下流域の流量は維持できるとの中間報告をまとめる予定。斉藤氏はJR東海に対し中間報告を踏まえて地元関係者に丁寧で分かりやすく説明するよう指示するとした。
 

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