手術なしで性別変更を 静岡家裁浜松支部に申し立て 戸籍要件「違憲」訴え

 戸籍上は女性だが性自認は男性として生活する鈴木げんさん(46)=浜松市天竜区=が4日、生殖機能をなくす性別適合手術をせずに、戸籍上の性別変更を静岡家裁浜松支部に申し立てた。戸籍の性別変更要件を定めた性同一性障害特例法では、手術を要件の一つに定めている。鈴木さんは、幸福追求権や平等権などの観点から、特例法の違憲性を訴えている。

弁護団とともに静岡家裁浜松支部に入る鈴木げんさん(左)=4日午前、浜松市中区
弁護団とともに静岡家裁浜松支部に入る鈴木げんさん(左)=4日午前、浜松市中区

 申し立てでは、性自認通りの性別を尊重される権利や身体の侵襲を受けない権利(憲法13条)、法の下の平等(同14条)などの人権を論拠とし、卵巣などの除去手術を求める特例法の要件を違憲とする訴えを提起した。
 鈴木さんは、4歳ごろから自身の性別に違和感を持ち始め、学生時代は制服の着用や女子生徒との関係などで葛藤を抱き続けた。成人後、自身がトランスジェンダーであると自覚し、6年前からホルモン治療を開始。現在は「男性」として女性のパートナーと生活している。身体的、精神的負担が大きいことなどを理由に、手術は望んでいない。
 申し立て後の記者会見で鈴木さんは「これは“俺”の裁判であると同時に、社会運動でもあると思っている。性の問題をみんなの問題として考えていきたい」と強調した。
 同様の申し立ては全国で2例目。2019年1月に最高裁は特例法の規定について合憲判断を下したが「憲法違反の疑いが生じていることは否定できない」とする補足意見も示された。
 弁護団の水谷陽子弁護士は「最高裁の判断後、この問題をめぐるさまざまな議論が出て、より違憲性を裏付けるための資料も集まった」と指摘した。

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