自民新体制発足 衆院静岡5区に波紋 しのぎ削る吉川氏/細野氏

 自民党の岸田文雄総裁を支える新執行部が1日、発足した。歴代最長となる5年超を務めた二階俊博前幹事長の交代は、岸田派の自民現職吉川赳内閣府政務官と、二階派に所属し自民党入りを目指す無所属現職の細野豪志元環境相がしのぎを削る静岡5区の攻防に波紋を広げている。
 静岡5区内の自民党の全県議と市町支部長が同日、県庁で顔をそろえた。「細野氏の入党について断固拒否し、吉川氏を支援することを確認する」。支部長らは自民県連の野崎正蔵幹事長に細野氏の処遇について申し入れた。同様の要望はこれで3度目。5区選対本部幹事長の和田篤夫県議は「細野氏が二階派に所属していることで自民党に入ったと勘違いしている有権者がいる。岸田新総裁が誕生し、衆院選も近い。改めて『5区自民は吉川』と発信する必要性を感じた」と話した。
 当選7回を数える細野氏は、希望の党が解党した2018年5月に無所属となり、19年1月に二階派の特別会員になった。細野氏は選挙に勝って自民入りする青写真を描いているとされるが、吉川氏が同年3月に繰り上げ当選したことで5区に現職が2人となり、選挙区事情は複雑化した。
 二階氏の存在も選挙区に影を落とした。公認など選挙を仕切る現職幹事長の影響力は絶大だ。5区の党関係者も「どこかで(吉川氏が)公認されないのではないかと不安があった」と打ち明ける。そこに二階氏の退任と岸田氏の総裁就任が重なり「追い風だ」と吉川氏の陣営関係者は意気上がる。
 吉川氏は静岡新聞社の取材に「(自分が5区支部長であり)公認問題は存在しないという認識は変わらない。新執行部は地元の声に耳を傾けてくれると考えている」と話した。
 ただ、自民党には同じ選挙区で2回以上続けて敗れ、比例復活した場合は原則として比例重複立候補を認めないとする内規がある。あくまで原則だが、細野氏に3連敗中の吉川氏にとって重複が認められるかどうかは公認以上に気がかりな問題といえる。
 一方の細野陣営は衆院選の勝利で状況の打開を目指す。細野氏が自民入りを目指すと表明したことで支援を決めた自民支持者も一定程度いるという。陣営幹部は「岸田新体制で自民入りが難しくなるかもしれないが、吉川氏を比例復活させないぐらいに圧倒的な大差で勝つしかない」と前を向いた。
 細野氏は1日、報道各社の取材に「(自民党入党を目指す姿勢は)変わらない。地元の有権者に身を託す。まずは選挙で結果を出す」と述べた。その上で「次の選挙で勝利できなければ政界から引退する」と決死の覚悟を示した。
 静岡5区には立憲民主党新人の小野範和氏と諸派新人の千田光氏も出馬の意向を示している。

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