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特集 : こち女

ドライフラワー、朽ちた美しさ引き出す 和田康宏さん(静岡市清水区)【ものづくりびと 県内作家の小さな工房】

 直径30センチもの大きなアナベル、穂を真っすぐ垂らした小麦。天井や壁面に所狭しと飾られたドライフラワーが、神秘的な空間を醸し出す。作り手の和田康宏さん(65)は静岡市の日本平中腹で専門店「ダーワ」を開いて35年、「鮮やかな色は苦手。道端の草花、豆のさやなど、曖昧な色や朽ちた形に引かれる」と話す。

時間を経た美しいドライフラワーが神秘的な空間を生み出す。アレンジ作品も豊富
時間を経た美しいドライフラワーが神秘的な空間を生み出す。アレンジ作品も豊富
和田康宏さん
和田康宏さん
時間を経た美しいドライフラワーが神秘的な空間を生み出す。アレンジ作品も豊富
和田康宏さん

 会社員だった20代、自然好きな性分から暇さえあれば野山へ出掛けた。27歳のとき、山アジサイの立ち枯れた姿に魅了された。「今でもあの姿が心に残る」。同じ頃、山梨県内にできたドライフラワー店に触発されて店を始めた。
 年間を通して150種類を扱う。「自分で作れるものは一から作りたい」と、地元や長野県に自家栽培の畑を持つ。「植物が一番きれいな状態で、必要な分だけ手に入れられる」。光と鮮度、湿度を調節しながら、時間を経た美しさを見極めていく。木の実への愛着もひとしお。「夜風が強く吹くと翌朝、落ちているお気に入りの場所に駆け付ける」
 豊富な素材とその魅力を熟知してこそ、季節のリース、プレゼント用のスワッグ(花束)や額装などアレンジは自由自在。「立体感が決め手。奥行きが生まれる」。創作教室からは男女5人が独立していった。「私もドライフラワーを通して家具職人をはじめ、多くの人に支えてもらった。若手作家を応援していきたい」と話す。
 (文化生活部・岡本妙)

 わだ・やすひろ 静岡市駿河区出身。予約制で創作教室を開く。受講生の作品などをインスタグラムで公開中。ドライフラワーは一束500円から、アレンジ作品は2500円から。

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