岸田新総裁誕生 盟友、故望月義夫氏の悲願実現【自民総裁選】

 自民党の岸田文雄新総裁誕生には、1人の政治家の存在が欠かせなかった。参謀役として20年以上にわたり岸田氏を支えた故望月義夫元衆院議員。盟友の晴れ姿を見ることなく、2019年12月、病気のため志半ばで亡くなった。当時を知る関係者は「よっちゃん(望月氏)は本当に喜んでいると思う」としみじみと語った。

岸田文雄氏(右)と岸田派所属議員の当選を喜ぶ生前の望月義夫氏。派閥事務総長として会長の岸田氏を支えた=2013年7月、東京都内(深沢陽一事務所提供)
岸田文雄氏(右)と岸田派所属議員の当選を喜ぶ生前の望月義夫氏。派閥事務総長として会長の岸田氏を支えた=2013年7月、東京都内(深沢陽一事務所提供)

 岸田氏の総裁就任は望月氏の悲願だった。関係者によると、望月氏は1996年の初当選から間もなく、1期上の岸田氏の資質をいち早く見抜いた。「将来の総裁候補だ。絶対にあなたを推す」。こう宣言し、支え続けた。岸田氏が派閥会長に就任後、望月氏は事務総長に。環境相時代を除き、亡くなるまで参謀役を務めた。
 しかし生前に願いはかなわなかった。「首相になる姿を見られなくて残念だ。支えられず申し訳ない」。望月氏は死去の直前、見舞いに訪れた岸田氏へ無念の思いを伝えた。国会内の岸田事務所には望月氏の菩提(ぼだい)寺・龍華寺(静岡市清水区)から届いた必勝祈願の札が飾られている。
 岸田氏は昨年の総裁選で望月氏の墓前に必勝を誓ったが、菅義偉首相に大差で敗れた。「望月氏さえ生きていれば」。党内で派閥を超えて幅広い信頼を築いた望月氏の不在を悔いる声が上がった。
 細田派の事務総長として望月氏と派閥間のやりとりをしていた塩谷立氏(衆院静岡8区)は「親身に岸田氏を支え一番頼りにされていた。(岸田総裁が実現し)本当に良かった」とし、岸田派の上川陽子氏(同1区)も「本当に喜んでいるだろう」と思いをはせた。望月氏の次女で県議の香世子氏は「父の代から応援していた岸田氏が総裁に選ばれ感慨深い。活躍を祈念している」と期待した。
 (東京支社・岡田拓也、清水支局・坂本昌信)
 

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