記者コラム「清流」 見習いたい謙虚な姿勢

 11月に100歳を迎える裾野市の市川栄子さんの取材で自宅を訪ねた。会話もはきはきとしていて、年齢よりもかなり若く見える元気な姿に驚いた。
 早くに夫をなくし、女手一つで3人の子どもを育て上げた市川さん。若い頃は戦中戦後の騒乱期で苦労ばかり。今も毎日、夫の供養と散歩を欠かさない一方で、旅行などぜいたくを控えているという。「もっと楽しみを持ってもいいのでは」と言うと、「亡くなった家族に申し訳ない」との答えが返ってきた。
 日本は人生100年時代が近づく。記者も市川さんのように健康に長生きできるだろうか。まずは日頃の不摂生から少しずつ改めようと肝に銘じた。謙虚でつつましい姿勢を見習いたい。

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