盛り土新条例 2022年7月にも 静岡県議会副知事答弁

 熱海市伊豆山で7月に発生した大規模土石流で被害を拡大させたとされる不適切な工法の盛り土の規制強化を巡り、難波喬司副知事は29日、盛り土に特化した新たな条例を制定し、2022年7月1日の施行を目指す考えを明らかにした。悪質な業者への指導を厳格にするため市町に権限移譲せず、県が統一的に運用する方針も示した。県議会9月定例会で自民改革会議の中田次城氏(伊東市)の代表質問に答えた。

静岡県庁
静岡県庁

 難波副知事は22年の2月定例会に新条例案を提出し、制定後3カ月間の周知期間を確保した上で、土石流の発生から1年になる前に施行する想定スケジュールを説明。「実効性のある新たな条例を制定し、県が直接運用する体制と合わせて、無許可や不適切な工法の盛り土を監視するシステムを構築する」と強調し、再発防止に向けた新たな仕組みの必要性に触れた。
 新条例案は全国の条例を分析した上で、三重県の条例を参考にすると表明。一定規模以上の盛り土行為を許可制とする方針を説明した。現行の県土採取等規制条例で罰金20万円としている罰則は、懲役刑を入れるとした。
 現行の条例は面積1ヘクタール未満の盛り土の行政手続きを各市町に権限移譲している。崩落した熱海市の盛り土は同条例に基づき市に届けが出されていた。業者は届け出の3倍を超える高さの盛り土を造成。市は土砂搬入や工事の中止を業者に要請したが、造成を止められなかった。
 

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