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古関裕而 幻の楽曲「静岡ファンタジー」をCD収録 今春静鉄で発見

 1964年東京五輪の「オリンピック・マーチ」を作曲した古関裕而(09~89年)の「幻の楽曲」とされ、今春静岡市内で音源が発掘されたご当地ソング「静岡ファンタジー」が、古関楽曲を集めたCDに収録されることになった。

「静岡ファンタジー」が収録されるCD「古関裕而秘曲集 新民謡・ご当地ソング編」
「静岡ファンタジー」が収録されるCD「古関裕而秘曲集 新民謡・ご当地ソング編」
「静岡ファンタジー」が収録されるCD「古関裕而秘曲集 新民謡・ご当地ソング編」
「静岡ファンタジー」が収録されるCD「古関裕而秘曲集 新民謡・ご当地ソング編」
「静岡ファンタジー」が収録されるCD「古関裕而秘曲集 新民謡・ご当地ソング編」
「静岡ファンタジー」が収録されるCD「古関裕而秘曲集 新民謡・ご当地ソング編」

 29日発売のCDは、古関が所属していたレコード会社日本コロムビア(東京)が編集した「古関裕而秘曲集」の「歌謡曲編」「社歌・企業ソング編」に続く第3弾「新民謡・ご当地ソング編」。古関が生涯に作った約5千曲から47曲を選んだ。
 「静岡ファンタジー」は、レコード会社の「吹き込み台帳」に49年の録音が記録されているが、音源や楽譜のありかが不明で、研究者の間で「幻の楽曲」とされていた。古関研究の権威である刑部芳則日本大准教授からの依頼で本社「NEXT特捜隊」が取材を進める過程で、静岡鉄道(静岡市葵区)の資料室からレコード盤やテープが出てきた。
 CD収録に当たり、日本コロムビアは静岡鉄道からレコード盤を借り受け、社内の再生機を使って慎重に録音した。衛藤邦夫プロデューサーは「レコード会社にも残っていなかった貴重な音源」と評価する。
 CDの企画・監修も担当した刑部准教授は「古関は31年のレコードデビュー曲『福島行進曲』『福島小夜曲』をはじめ、ご当地ソングを量産していた。『静岡ファンタジー』もその一つ」と解説する。「今回、忘れられた古関メロディーがよみがえった」と喜びを口にした。CDには旧興津町(現静岡市清水区)の風景を歌った「興津の四季」(松永香苗作詞、島倉千代子歌唱)も収録した。
 名作曲家の静岡ゆかりの楽曲を、地元商店街が地域振興に役立てるプランもある。静岡鉄道の広報担当者は「会社の先輩方が関わった楽曲が日の目を見ることになった。ありがたい」と感謝した。(橋爪充)

 静岡ファンタジー 古関裕而作曲、藤浦洸作詞で、歌唱は藤山一郎と渡辺はま子。終戦後まもなく、静岡鉄道の従業員慰安会に招かれた古関、藤浦が社員の意見を取り入れながら即興で作った。呉服町、七間町など静岡市内を描写する。

 

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