防災訓練の重要性強調 高校生「岩手からの学び」報告 静岡
東日本大震災発生から今年10年を迎えたのに合わせ、県ボランティア協会などが8月に実施した高校生対象の「東北スタディツアー」の報告会が25日、静岡市葵区の県地震防災センターで開かれた。岩手県で“被災地の今”を見聞きした県内13校の26人が、学んだことや感じたことを班ごとに発表した。

震災や被災地について知り、南海トラフ地震をはじめとした大規模災害が懸念される本県の防災を考える「TOMOSHIBI(ともしび)プロジェクト」の一環。一行は8月5日にバスで静岡市を出発し、6、7の両日、津波で甚大な被害を受けた同県釜石市や大槌町、陸前高田市を訪問。行政関係者や語り部、新聞記者などに当時の体験を聞いた。
12のグループごとに壁新聞にまとめて発表した。柏木亜美さん(静岡城北高2)と佐野菜帆さん(静岡雙葉高1)の班は、釜石市の多くの小中学生が自ら高台に避難して津波から命を守った「釜石の出来事(釜石の奇跡)」を踏まえ「どれだけ真剣に防災訓練に取り組めるかが鍵」と話し、避難の重要さを強調した。
東日本大震災の発生後、静岡県の支援部隊の第1陣として現地に入った静岡大防災総合センターの岩田孝仁特任教授は講評で「防災を地域の文化として根付かせることが大切。今回感じたことを具体的な行動につなげてほしい」と呼び掛けた。