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大自在(9月25日)爽籟の頃

 屋外を歩くと真っ赤な彼岸花が目に入る。ちょうど彼岸に合わせるかのように開花した。爽籟[そうらい]を感じるようにもなり、確実に季節は進んでいる。
 夏が去るとともに新型コロナウイルス感染症の1日当たり新規感染者数が大きく減ってきた。流行「第5波」に襲われた8月中旬、静岡県内も600人台を数えた日があったが、最近は2桁台に。静岡市では確認ゼロの日もあった。このまま順調に減少することを願う。
 ところが、なぜ減ったのかという問いの答えははっきりしない。確かに国民へのワクチン接種は進んだ。効果は確実に出ているようだが、それだけでは説明できないという指摘もある。減少した要因が分かれば、次の波が来た時に参考になるはずなのだが。
 静岡も含めて19都道府県には緊急事態宣言が発令され、人の動きを抑制する取り組みが図られてきた。しかし、長引く緊急事態への慣れや疲れもあってか、人流調査では思ったような効果が出ていない。第5波がかなり厳しかっただけに、潮が引くような減少は不思議な感じがした。
 いまだに収束が見えないコロナとの闘いは、結果オーライで済まないことは明らかだ。昨年の第1波が落ち着いた時、当時の首相は「日本モデルの力を示した」と自賛し、まともな分析と検証をしなかった。検査拡充や病床確保は当時から課題だったが、抜本的に改善されたとは思えない。
 季節が移り、空気が乾燥する冬には第6波の到来が懸念されている。医療提供体制に余裕がある時にこそ、しっかりと備えをしておかねばならない。

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