テーマ : 福祉・介護

認知症事前登録 静岡県内2000人超 見守り体制、全市町拡大

 道に迷ったり、行方不明になったりした認知症の高齢者らの早期保護に向けた市町の事前登録制度が、2020年度末までに静岡県内全35市町に広がり、登録者が2000人を超えた。県は「地域住民の声掛けで、警察への届け出前に居場所が分かった例もある」(健康増進課)と効果を指摘する。高齢者人口の増加に伴い認知症を患う人の増加も見込まれる中、制度の認知度を高め、一層の登録と活用を呼び掛けていく。

登録番号を記した「オレンジシール」の使用例(静岡県提供)
登録番号を記した「オレンジシール」の使用例(静岡県提供)
三島市が登録者に配布するQRコードの見本(静岡県提供)
三島市が登録者に配布するQRコードの見本(静岡県提供)
登録番号を記した「オレンジシール」の使用例(静岡県提供)
三島市が登録者に配布するQRコードの見本(静岡県提供)

 事前登録は本人や家族の同意の下、行方不明になる可能性がある人の氏名や写真、身体的特徴のほか、外出手段やよく行く場所などを市町に登録する。情報は県警や地域包括支援センターなどが共有し、日常的な見守りや声掛けに活用する。行方不明になった際には、警察の迅速な捜索のほか、介護事業所や新聞販売店などの協力団体に情報発信し、地域の目による捜索にもつなげる。
 県では19年度から全市町への普及を目指し、県内全体の登録者数は20年6月時点の27市町1948人から、21年3月末時点で全35市町2323人に増加した。最多は浜松市の812人で、藤枝市457人、静岡市242人、磐田市128人と続いた。
 事前登録と合わせて多くの市町が取り組んでいるのが、登録番号を記した「オレンジシール」や、QRコードの配布。高齢者の靴や衣服に付けて保護の目印や本人確認に役立てる取り組みで、24市町が導入している。
 ■円滑保護へ連携強化
 県内の各市町は、事前登録制度の浸透や行方不明時の早期発見につなげるため、独自の工夫を展開している。
 登録者が多い浜松市は、市内22カ所の地域包括支援センターを通じて家族や本人に制度を紹介している。2015年から運用する藤枝市でも、認知症当事者の状態をよく知るケアマネジャーから必要な人に登録を勧めるほか、行方不明時の保護に携わる警察や消防など関係機関との連携も強化している。ひとり歩きの高齢者を保護した際に、各機関から家族に制度を説明するケースもあるという。市地域包括ケア推進課は、「警察や消防と早期保護への課題意識を共有できている」と話す。
 登録者にQRコード付きのラベルを配布している三島市では、道に迷った高齢者を発見した人が携帯電話でQRコードを読み込むと、専用の伝言板から匿名で家族に直接連絡できるシステムを導入した。同市の担当者は「周辺市町も同様のシステムを導入し、広域連携がしやすくなった」と効果を語った。

 

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