減水「蓋然性低い」 JR社長、中下流域で見解【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、JR東海の金子慎社長は22日、東京都内で開いた定例記者会見で、中下流域の水量が減る可能性について「蓋然(がいぜん)性が低い」とする見解を示した。自社による地質や降水量の想定に基づく水収支解析(流量予測)を根拠に挙げ、「(減水しないという)解析(の結果)が一番ありそうな話だ」と強調した。
 同社の工事担当者は国土交通省専門家会議で、自社の予測通りにならない場合に中下流域で減水する可能性があると説明済み。専門家は予測に不確実性があると指摘している。
 金子社長は、リスクだけを強調して全体を捉えるのはバランスを欠いているとの認識を示し「(想定外は)蓋然性としては低いけれど、本当にどうなるかという心配はあるかもしれない」と述べた。
 県や利水者が減水対策として求める「トンネル湧水の全量戻し」に関しては「リスク対策だとしたら詳しい説明が要る」とした。トンネル掘削中に県外流出する水を県内に戻すのかについては回答しなかった。
 18日に開いた流域市町長との意見交換会の協議内容は「非公開で(市町長と)合意した。個別のやりとりは明らかにしない」と答え、各市町長の要請にどのように対応するのかは明言しなかった。
 
■JR東海社長一問一答 「県の専門部会に対応」
 22日に行われたJR東海の金子慎社長の定例記者会見での主なやりとりは次の通り。
 ―18日の大井川流域市町の首長との意見交換会の受け止めを。
 「対話のスタートが切れて良かった。流域の理解と協力を頂くためには信頼関係が大切だが、お会いしないと関係を築くのは難しい。水利用に対する心配や懸念解消に向けて強い要請を受けた。しっかり取り組まないといけない」
 ―意見交換の内容は。ルート変更の選択肢を考えるべきという意見も出たはずだ。
 「今回は非公開で率直な話をする趣旨なので、どういう話があったかは控えたい。議事の概要のような形で整理されたら、明らかにできると思う」
 ―意見交換会後に「(流域の懸念は)想像以上」と発言した。川勝平太知事が「知るのが遅い」と批判している。
 「全く想像していないわけではない。実際に首長と会って話を聞き、心配に答えなくてはいけないという趣旨で申し上げた」
 ―近く国土交通省の専門家会議の中間報告がまとまる予定だ。県有識者会議の専門部会にはどう対応するか。
 「中間報告は流域の心配や懸念に答えていくベースになる。いろいろな観点で指導を受け、取り組んできた内容だ。納得感のあるものができたら良い。専門部会の対応はしないといけない」
 ―金子社長は想定通りにならないリスクを否定していないが、大井川の中下流域の流量減少の可能性を認識しているか。
 「リスクだけ取り上げるのはミスリーディングだ。調査や解析(の結果)が一番ありそうな話だ。(流量減少は)蓋然性として低い。可能性があるかもしれないので、モニタリングはしていく。ただ、流域の皆さんが心配している。理解を求めていかないといけない」

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ