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91歳大村光代さん デイサービス仲間に絵画指導 静岡

 静岡市葵区のデイサービス「亀寿庵」で、利用者の大村光代さん(91)が絵画教室の先生となり、デイ仲間に指導を行っている。同サービスの亀井正代表は「人と交わることが苦手な利用者が創作活動を通じて楽しく会話するようになった。笑顔も増え、施設全体が明るくなった」と目を細める。

生徒の隣に寄り添いながら、色の塗り方を伝える大村さん(左)=静岡市葵区のデイサービス「亀寿庵」
生徒の隣に寄り添いながら、色の塗り方を伝える大村さん(左)=静岡市葵区のデイサービス「亀寿庵」

 もともと絵を描くことが好きだった大村さん。童画や美人画などで知られる画家中島潔さんの作品に一目ぼれし、本格的に絵画活動を開始。60歳から25年間、自宅に絵画教室を構えた。教室では、中島さんの画集やポストカードを中心に、構図や色彩をまねて技術指導を行っていた。
 大村さんは心臓の持病などを理由に3年前から同サービスを利用し始めた。当初は他人と関わらず、黙々と絵を描いていたという。名画そっくりに描かれる作品に驚いた亀井代表が「みんなに教えてみては」と提案。大村さんは約5年ぶりの絵画教室の先生となった。
 8月下旬、同サービスには、はつらつと絵を描く利用者らの姿があった。大村さんが用意した手本や下絵を見ながら、70~90代の5人が色鉛筆で色塗りを楽しんだ。紅葉など季節感あふれる風景には1色では再現できない奥深い色味も。大村さんは“生徒”の隣に寄り添い、色の作り方や塗り方を伝えた。
 同サービスで相談員を務める天野智代さんは「絵の指導を再開したことで楽しみが増えたのでは。生徒になる利用者さんも新たな趣味を見つけ、生きがいにつながっている」と優しく見守る。亀井代表は「認知症の予防や改善、脳梗塞の後遺症のリハビリにも効果がありそう」と期待した。

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