熱海盛り土付近で不適切投棄 県と市、現所有者を6月指導

 熱海市伊豆山の大規模土石流の起点となった盛り土を含む土地の現所有者側に対し、市や県が土石流発生直前の6月下旬、現地付近で不適切な土砂の投棄を確認し、土砂搬入の中止を指導していたことが15日の市議会9月定例会で明らかになった。

盛り土を施行した神奈川県小田原市の不動産管理会社(清算)による熱海市内でのトラブル
盛り土を施行した神奈川県小田原市の不動産管理会社(清算)による熱海市内でのトラブル

 盛り土を含む土地は2011年2月、前所有者である神奈川県小田原市の不動産管理会社(清算)から現所有者が購入した。熱海市によると、伊豆山地区の住民から今年6月ごろ、現所有者が盛り土の南西側の隣接地にある大規模太陽光発電所(メガソーラー)付近で土砂を処分しているとの通報があり、市や県東部農林事務所が確認した。
 同市の宿崎康彦観光建設部長は土砂崩落の恐れがあるとし、「事故の予防を求めていく必要がある」と説明し、現在も指導を続けているとした。
 一方、斉藤栄市長は盛り土の前所有者が開発していた市内の別の土地で12年5月に土砂流出が起きた際、市が921万円を立て替えて応急工事をし、その後、費用を前所有者に請求していなかったことを明らかにした。
 斉藤市長は当時の市議会で、前所有者に費用請求と行政処分を早急に実施すると述べていたが、この日の議会で「関係機関や弁護士と相談したが費用請求、行政処分に至らなかった」と答弁した。
 市は07年7月に前所有者が所有していた山林で土砂崩れが起きた際にも162万円を負担し、土砂撤去と土留め工事を行った。斉藤市長は費用請求の事実確認について「担当職員に当時の資料を探させている。現時点で詳細は不明」と述べた。
 今回の土石流を巡り、遺族や被災者は刑事、民事の両面で土地の現旧所有者の責任を追及している。市が告発する考えがあるかどうかを問われた斉藤市長は「司法機関による解決の可能性が高まっていることから、市はそれに協力する立場にある」と述べるにとどめた。

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