SPAC秋→春 「桜の園」など3作上演「他者を見つめつながる」
静岡県舞台芸術センター(SPAC)は14日、世界の名作を届ける10月からの演劇シリーズ「秋→春のシーズン2021―2022」の作品を発表した。ロシアの劇作家チェーホフ作の「桜の園」など3作を静岡市駿河区の静岡芸術劇場などで上演する。

オンライン会見に臨んだ宮城聰芸術総監督は「世界中が自国に閉じこもっている今、他者を見つめつながりをつくることは芸術が果たす役割」と語った。
ベルギーの作家メーテルリンクのエッセーに基づく「みつばち共和国」は、昨年の同シリーズで初演した。神秘に包まれたミツバチの生態を四季の移ろいと共に再現する。初演時はフランスからリモートで演出したセリーヌ・シェフェールさんは「今年は俳優と空間を共有し、より細やかな作品づくりができる」と述べた。
「桜の園」は時代の変化にのみ込まれる人々の切迫感を、日仏の俳優とスタッフが創作する。7年ぶりの再演となる「夜叉ケ池」は、自然と人間の対立を探究する泉鏡花の戯曲を宮城監督が演出する。
一般公演は「みつばち共和国」が10月2日、「桜の園」が11月13日、「夜叉ケ池」が来年1月22日に開幕し、それぞれ7~10回上演する。学校ごとに中高生を招待する無料公演も実施する。問い合わせはSPACチケットセンター<電054(202)3399>へ。