記者コラム「清流」 体験

 東日本大震災後、よく耳にするようになった言葉「絆」。熱海の大規模土石流災害の取材では、理髪店内の土砂の撤去を近所の夫婦がボランティアの到着を前に手伝うのを見て、これが地域の「絆」だなと思った。
 今年の梅雨にも同じような体験をした。竜ケ岩洞奥へ取材に向かう途中、雨による倒木で道がふさがっていた。ちょうど山を下りてきた集落の住民も立ち往生していて声を掛けると、既に顔なじみに救助を求めたという。数分後、チェーンソーを手に来たのは自治会長と竜ケ岩洞の社長。20分ほどで倒木を撤去した。消防や市役所に連絡するより「その方が早いから」と住民は言っていた。
 二つの現場を見て初めて絆の一つの力を知った気がした。
 (浜松総局・中井公一)

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