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特集 : 海の幸

浜名湖「ドウマン」、水揚げ復調 希少な大型ガニ 温暖化影響か

 浜名湖特産の大型ガニで高級食材として知られる「ノコギリガザミ(ドウマン)」の水揚げが、急回復している。静岡県水産・海洋技術研究所浜名湖分場(浜松市西区)によると、原因は不明ながら、関係者からは資源回復策の効果とともに、温暖化の影響を指摘する声が上がっている。

浜名湖特産のドウマン。漁獲量が急回復している=10日午後、浜松市西区の海老仙
浜名湖特産のドウマン。漁獲量が急回復している=10日午後、浜松市西区の海老仙
浜名湖のドウマン漁獲量
浜名湖のドウマン漁獲量
浜名湖特産のドウマン。漁獲量が急回復している=10日午後、浜松市西区の海老仙
浜名湖のドウマン漁獲量

 「今年も8月終わりから漁獲量が増え始めた。子ガニ放流の成果が表れているのでは」。浜名漁協鷲津支所(湖西市)の江間勇人支所長(46)は豊漁の原因をこう分析する。
 2018年に3121キロだったドウマンの漁獲量は、19年に2・3倍の7313キロに急増。20年はさらに7503キロに増えた。漁の盛期はこれからだが、21年も7月末時点で785キロと、過去2年とほぼ同じ水準を維持している。
 アサリを除く浜名湖の主要29種の総漁獲量がこの10年で半減する中、希少価値が高く「幻のカニ」とも呼ばれるドウマンは10年前と同じ水準に回復した。漁師や仲買人からは「水温上昇の影響もあるのでは」との見方が出ている。
 10年前に229キロだった12月単月の漁獲量は19年が946キロ、20年は約5倍の1111キロに増えた。熱帯や亜熱帯地域に生息するドウマンは水温が15度を下回ると動きが鈍り、水揚げは減ることが知られている。昨年12月の浜名湖南部の平均水温は15・6度で過去10年平均を0・6度上回るなど上昇傾向にあり、活発に動く時期が延びているとみられる。
 水産会社の海老仙(浜松市西区)は種苗生産を研究する県温水利用研究センター(御前崎市)に協力して腹部の外側に卵を持つメスのドウマンを確保したり、自社で放流したりしている。加茂仙一郎社長(62)は「ドウマンは浜名湖の貴重な資源。長期的に水揚げが安定し、より多くの人に食べてもらえるよう地道な取り組みを続けていきたい」と話す。
 (浜松総局・杉山諭)
 〈メモ〉ノコギリガザミ(ドウマン) 巨大なはさみと丸い胴体が特徴のカニ。大きな個体は甲羅幅20センチ、重さ1キロを超える。生息地域は限られ、国内で一定の水揚げ高を記録する漁業は沖縄県八重山諸島や高知県浦戸湾、浜名湖など一部地域でのみ行われている。濃厚な味わいで市場価値は高い。

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