熱海土石流 避難所受け入れ期限迫る 転居先決まらず不安の声も

 熱海市伊豆山の大規模土石流で、市が避難所にしたホテルの受け入れ期限が15日に迫り、被災地には週末の11、12日、壊れた住宅から次の住まいに家財道具を運び出したり、住み慣れたわが家の解体作業を見守ったりする避難者の姿があった。一方で転居先が決まらず、生活再建に踏み出せない被災者からは不安の声が聞かれた。

引っ越し作業と並行し、イノシシなどが入らないよう応急処置が行われる岩本さんの自宅=12日午後、熱海市伊豆山
引っ越し作業と並行し、イノシシなどが入らないよう応急処置が行われる岩本さんの自宅=12日午後、熱海市伊豆山

 静岡県が応急仮設住宅として借り上げた市内の民間住宅での1人暮らしが決まった岩本とし子さん(78)は12日、警戒区域内の自宅に入り、服や台所の小物を運び出した。自宅のドアや窓、壁は土石流に破壊され、1階の室内は外から丸見えの状態。引っ越し作業と並行してイノシシなどが自宅に入らないよう壊れた壁を板でふさぐ応急処置をした。
 「引っ越し先の近所に、知り合いが3人いるので心強い」。そう話しながらも「数年は帰ってこられないだろう。先のことはその間に考えたい」とつぶやいた。
 半壊した自宅の取り壊し作業を見守っていた母親(71)と娘2人は、引っ越し直前の11日に転居先に決めていたアパートの契約を解除した。何軒も物件を巡った末に見つけた神奈川県湯河原町の民間住宅には既に家電を運び込んであったが、家の真上に高圧線が架かっていると後から知って健康への影響を懸念したという。
 「避難所のホテルの受け入れ期限が迫っていたこともあり焦りがあった。今はなるようになると思っている」と長女(47)。15日以降は3人で市内の別のホテルに移り、再び住まいを探すという。
 伊豆山で生まれ育ったという母親は「伊豆山は捨てられない。(土石流の起点の)盛り土は怖いが、いつか自宅を修理して戻りたい」と語った。

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