個人向けリゾート拡充 ワーケーション機能も整備 中島屋ホテルズ社長・鈴木健太郎氏【コロナに挑む】

 静岡県中部でホテルやレストランを展開する創業105年の老舗トップを実父から引き継いだ。新型コロナウイルス禍で宿泊、飲食業界への逆風が続く中、個人向けリゾートや仕事しながら旅を楽しむワーケーションに対応した宿泊サービスを拡充する。

鈴木健太郎氏
鈴木健太郎氏


 ―最近の宿泊利用状況は。
 「8月の宿泊者数はコロナ前の5割ほど。ワクチン接種が広がったことで一時期は明るい兆しが見えたが、デルタ株の感染拡大や緊急事態宣言の発令で再び冷え込んだ。団体宿泊は消失したままで、ビジネスも当面は回復の見通しはつかない」
 ―ウィズコロナ時代にどう挑むか。
 「県内や近隣県の個人客ニーズに対応していく。焼津グランドホテル(焼津市)は、食事や飲み物など館内サービスを全て含んだ料金体系の『オールインクルーシブリゾート』として、敷地内で過ごす時間を楽しめる施設やイベントなど個人客向けのサービスを充実させる。5月にグランドオープンした『森のアクティビティ施設』はその一環で、3人制バスケットボールやパターゴルフ、プールなどアウトドアを楽しめるサービスが好評。今後は屋内で過ごす時間も楽しんでもらえるインドア整備も進め、連泊や再訪につなげていきたい」
 ―ビジネス需要への対応は。
 「静岡市中心街の中島屋グランドホテルは、客室を拡張するなど改装し、ワーケーション機能を備えていく。市内ではビジネスホテルの建設が相次ぎ、今後はさらなる競争激化が見込まれる。アフターコロナを見据え、サービスの質で特色を出したい」
 ―組織活性化にも取り組んでいる。
 「スタッフ一人一人の力を引き出し、組織力を強化したい。4月に実施したプロジェクト『N―1グランプリ』では、全社員がチーム別に広報動画の作成や新企画のプレゼンテーションを行い、モチベーション向上や経営資源見直しにつながったと思う。トップダウンの経営には限界がある。現場でお客さまに寄り添うスタッフの気付きをサービスに生かしたい」
 (聞き手=経済部・石井祐子)

 すずき・けんたろう 慶応義塾大卒。京セラ、村上開明堂を経て2017年入社。今年8月から現職。静岡市葵区出身。39歳。        

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