熱海沖で採取、海洋酵母由来のカロテノイド 化粧品原料化に挑戦

試験抽出したカロテノイド溶液
試験抽出したカロテノイド溶液
顕微鏡観察した培養中の海洋酵母
顕微鏡観察した培養中の海洋酵母
試験抽出したカロテノイド溶液
顕微鏡観察した培養中の海洋酵母

 化学メーカーのケイ・アイ化成(磐田市)と化粧品原料メーカーのビタミンC60バイオリサーチ(VC60、東京)は、熱海沖で採取された海洋酵母が生成する天然色素「カロテノイド」を化粧品原料として活用する事業に取り組んでいる。海洋資源を新産業の創出につなげる県の「MaOIプロジェクト」の補助金を利用し、新規カロテノイドが有する美白やしわ抑制などの抗酸化作用の機能性を化粧品で実用化し、2024年度中に市場での販売開始を目指す。
 ケイ・アイ化成は自社の培養装置などの設備を活用し、海洋酵母の工業的大量培養やカロテノイドの抽出といった製造技術の確立を担う。VC60は、抗酸化作用のある成分「フラーレン」を世界で初めて化粧品原料として実用化した実績を強みに、抽出物に含まれる有用成分の分析や評価、化粧品処方の作成などを進める。
 実用化に向けて、VC60は海洋酵母の保有者である海洋研究開発機構(JAMSTEC)と生物資源利用の約款を結び、ケイ・アイ化成と共同で海洋酵母が生合成する新規カロテノイドを産業利用するための開発を進めている。
 カロテノイドが持つ抗酸化作用を発見した明治大農学部の浜本牧子教授との共同研究で、化粧品原料として肌にもたらす効果も詳しく調べている。県内企業を中核に企業や大学、研究機関を巻き込んだオープンイノベーション体制で進める取り組みとして成果が注目されている。
 ケイ・アイ化成の担当者は「今後の研究開発が成功すれば世界初の化粧品原料を本県から発信できる。国内有数の化粧品出荷額を誇る本県関連産業の活性化に貢献したい」と意欲を語る。

 <メモ>カロテノイド 動植物や微生物などによって合成される天然色素の一群。自然界でこれまでに数百種類が見つかっている。代表的な例には、トマトに多く含まれるリコピン、サケやイクラなどに含まれるアスタキサンチンなどがある。

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