テーマ : 熱海土石流災害

土石流で一時休業、運営費募る 熱海の障害者作業所「居場所守りたい」

 熱海市伊豆山の大規模土石流の現場に近い障害者就労支援施設「心象めぐみ会共同作業所」(伊勢井勝所長)が、運営に必要な資金を30日までクラウドファンディング(CF)で募っている。土石流で一時休業したが、建物への被害はなかったため公的補償が受けられない可能性が高く、職員は「利用者の居場所を守りたい」と協力を呼び掛けている。

臨時作業所で仕事に打ち込む心象めぐみ会共同作業所の利用者=熱海市
臨時作業所で仕事に打ち込む心象めぐみ会共同作業所の利用者=熱海市

 作業所周辺は土石流が起きた7月3日以降、立ち入り禁止になった。約1週間後にJR熱海駅前のビルの一室を無償で借り受け、臨時作業所として開設した。運営費は静岡県国民健康保険団体連合会の給付金でほぼ賄っているが、作業所の利用日数や人数を元に算出されるため、休業中の分はゼロになる。新型コロナウイルス感染対策などの経費もかさみ、経営を圧迫した。
 CFでは休業時の損失分相当の150万円を目標に掲げる。協力者には返礼品として、利用者が傘の布をリサイクルして製作したエコバッグなどを贈る。
 伊豆山の作業所は現在、警戒区域から外れているものの、電話やネット回線が復旧できていないという。作業所の職業指導員古畑ひとみさんは「安全が確保されるまでは戻れない。小さな作業所の困っている現状を少しでも知ってもらいたい」と話している。
 問い合わせは伊勢井所長<電090(7308)8866>へ。
 (熱海支局・豊竹喬)

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