富士宮発キャンプ品人気 焚き火台やテーブル 自動車部品の製造技術生かす

 キャンプ熱が高まる中、自動車部品の製造などを手掛ける富士宮市の小林工業が立ち上げたキャンプギアブランド「ANCAM(アナキャン)」が次々と新商品を生み出している。金属加工技術を生かした焚(た)き火台に続き、デザイン性に優れたメタルテーブルなどキャンパーたちの人気を集めている。

富士宮発のキャンプギアブランド「アナキャン」のラインアップ=富士宮市内
富士宮発のキャンプギアブランド「アナキャン」のラインアップ=富士宮市内


 ブランド名はアナザーライフキャンプの略語。企画した生産技術部次長の土屋鋭二さん(44)が「キャンプを通じて、もう一つの生活、もう一人の自分を見つけてもらいたい」との思いで名付けた。
 ブランドを立ち上げた2018年から販売している焚き火台「FIRE WHIRL」は湾曲した4~6枚のステンレスプレートを組み合わせて形を変えられる人気商品。第2弾として開発したメタルテーブル「メタヘキテ」はシリーズ商品を続々と展開し、累計約3千台が売れている。
 メタヘキテは六角形の天板に格子状の穴が並ぶこだわりのデザイン。凹凸のないフラットな形状も同社強みの金属加工技術が生かされている。今年8月下旬に販売を始めた新商品は天板の端にスリットを加え、カップなどを掛けられるように改良した。横浜市のキャンプギア専門店「デバイスワークス」とのコラボ商品も複数誕生し、認知度向上の後押しになった。
 ブランド立ち上げから約3年。商品は27アイテムまで広がった。同市のふるさと納税返礼品としても好評だ。「(異業種に)一歩踏み出す勇気があったからここまで来られた」と土屋さん。「自分が欲しいものを作ってキャンパーさんたちに喜んでもらえることが先に進む力になる」と語った。

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