イルカの親子 清水港にすみ着き1年 関係者「港の新名物に」

 静岡市の清水港に子連れとみられるイルカの群れが2020年9月から約1年間すみ着き、地元港湾関係者の間で話題になっている。港内の観光船関係者や専門家は「一時的に見られることはあっても、こんなに長くいるのは初めて」と口をそろえる。“珍客”に水上バスをイルカの絵でラッピングし、新しい「港の名物」に育てようという計画もある。

清水港に約1年間すみ着いているミナミバンドウイルカの群れ=今年5月下旬(富士山清水港クルーズ提供)
清水港に約1年間すみ着いているミナミバンドウイルカの群れ=今年5月下旬(富士山清水港クルーズ提供)
観光船内の売店客への対応の傍らイルカの姿を探す小沢法子さん=4日午前、清水港
観光船内の売店客への対応の傍らイルカの姿を探す小沢法子さん=4日午前、清水港
清水港に約1年間すみ着いているミナミバンドウイルカの群れ=今年5月下旬(富士山清水港クルーズ提供)
観光船内の売店客への対応の傍らイルカの姿を探す小沢法子さん=4日午前、清水港

 「この船のエンジン音が好きなのか、最初は船首から現れて、船の下を潜って、スクリューで船尾にできた波で遊んでいます」。うれしそうに話すのは、港内を周遊する観光船「ベイプロムナード号」内で売店を運営する小沢法子さん(63)だ。
 30年間観光船に関わる小沢さんにとっても、初めてのことだという。売店の仕事の傍ら、イルカをいち早く見つけて船内の親子連れに教えてあげるのが最近の習慣になっている。「見つけたときは船内放送でも流すようにしているが、放送に気付かない親子連れもいる。一人一人声を掛けている。リピーターも多い」と話す。
 東海大海洋学部の大泉宏教授(海洋生態学)によると、イルカは沿岸性のミナミバンドウイルカで、清水港には6頭いる。うち2頭は体が小さく子供とみられる。ボラなど表層性の魚を餌にしているとみられるという。
 日本近海では東京・御蔵島などに大きな個体群がいるが、国際航路の大型コンテナ船が頻繁に往来する港内で群れが長期間滞在するのは珍しいという。大泉教授は「専門的にも珍しい自然現象と言える」と指摘する。
 観光船を運営する富士山清水港クルーズによると、新型コロナウイルス感染拡大で観光船の運航は現在、週末のみ。ただ、港内を結ぶ水上バスは連日運航中(乗り場修繕のため9月6~17日は運休)で、近くイルカの絵のラッピングを施す計画もあるという。
 (清水支局・坂本昌信)

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