生徒主導で校則見直し 浜松・佐久間中、生きづらくない環境へ議論

 浜松市天竜区佐久間町の佐久間中の生徒が、同校の校則の見直しに取り組んでいる。一人一人が生きづらさを感じることのない環境づくりを目指し、生徒主導で議論が始まった。夏休み期間には、制服の見直しについて話し合いを進めた。

学校での服装について話し合う生徒=8月下旬、浜松市天竜区佐久間町の佐久間中
学校での服装について話し合う生徒=8月下旬、浜松市天竜区佐久間町の佐久間中

 きっかけは、同校が6月に開いた性の多様性を理解するためのワークショップ。「生徒が生きづらさを感じずに学校生活を送れることが大切」。ワークショップにそんなメッセージを見いだした竹本貴瑛さん(2年)が、制服と校則の見直しを公約に掲げて7月の生徒会選挙に立候補し、新生徒会長に当選した。
 竹本さんは見直し作業に当たる生徒を募集し、手を挙げた1~3年の男女12人とプロジェクトチームを発足させた。8月上旬には、性別を問わずスラックスとスカートの着用を認める方向性を打ち出した。試着などを経て、11月中旬には決定する。
 「登下校時は体操服の方が安全」「私服を見せたくない人もいるかも」。夏休みも終わりに近づいた8月下旬。校舎にチームの推進委員6人が集まり、学校での服装の在り方について意見を交わした。約2時間の議論の末、「登下校時の服装を制服と体操服の選択制にする」「靴下の色の選択肢を増やす」などの事項をまとめた。
 竹本さんは「一人一人に合わせるのは難しいが、たくさん話し合って皆にとってより良い校則にしたい」と意気込む。委員の追掛希歩さん(2年)も「軽く考えちゃいけない。生きづらさを感じない校則をしっかりと考えたい」と真剣だ。
 新たな校則案は今後全校生徒に示し、教職員や保護者による検討を経て本年度中の決定を目指す。生徒の活動を見守る恩田好雄校長(59)は「子どもたちはルールにどっぷりつかり、同調圧力の中で生きている。そこに気付く判断力や自立心があり、多様な見方ができる生徒を育てたい」と期待を込める。

 <メモ>浜松市教育委員会によると、生徒の意見を聞きながら校則の見直しに取り組む中学校は増加傾向にあるという。市教委が本年度、市立中学計49校に実施したアンケートでは、32校が校則について生徒の声を積極的に聞いていく方針を示した。ただ、佐久間中のように生徒有志がプロジェクトチームを立ち上げた事例は珍しい。

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