まん延防止、静岡県内34市町拡大 飲食店に大きな試練 川根本町、唯一の適用対象外

 静岡県が16日、新型コロナウイルス感染拡大を抑えるまん延防止等重点措置の適用区域を18日から川根本町以外の34市町に広げる決定をした。これまで感染者数が少なく適用外だった掛川市をはじめ、周辺地域の飲食店主らの間では経営への不安が広がった。20日からは緊急事態宣言が適用される方針が決まり、全市町が対象になる。静岡県内全体で飲食業は大きな試練を迎える。

まん延防止等重点措置の拡大を周知するため、掛川市は飲食店などに説明書類を一斉送付した=16日午後、同市役所
まん延防止等重点措置の拡大を周知するため、掛川市は飲食店などに説明書類を一斉送付した=16日午後、同市役所

 掛川駅周辺の飲食店は先週末、既にまん延防止措置が適用された市町から飲酒に訪れたとみられる客の姿が目立った。クラフトビール店「ファニーファーム」の杉浦健美代表は「見慣れない客が比較的多かった。感染の多い地域の人では―と不安を感じたが、入店を断るのもつらい」と振り返る。対象市町の拡大が決まり「経営には痛手だが、この地域だけ対象外という状況もしんどい。収束に向け協力するしかない」と複雑な思いを語った。
 飲食店の補助金申請などを支援する第三セクター「かけがわ街づくり」の渡辺圭介さんは、県内でまん延防止措置の適用が始まった先週以降、店舗からの問い合わせに忙殺されてきた。「酒を提供できないと経営できない」と不安を訴える店主も多かったという。「地域間の不均一は困るが、措置で本当に苦しくなる店もある」と心配する。
 市は16日に飲食店などにまん延防止措置の内容を封書で通知したが、すぐ緊急事態宣言の適用方針も決まり、当面対応に追われそう。同じく18日から対象になる袋井市は、商工団体や飲食店組合を通じて営業時間の変更などを周知。島田市も17日に対策本部会議を開き、対応を検討する。

 ■川根本町、唯一の適用対象外 事業者「気が抜けない」
 新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置が県内市町で唯一、適用対象外となった川根本町。まん延防止は制度上、県全域での適用ができず、感染者の少ない同町が対象外となったとみられる。
 町の感染者は5月を最後に確認されず、感染者数はこれまで3人。ワクチン接種は県内でもいち早く進んでいて、18日には希望者全員に2回目の接種が終了し、接種率は約90%を見込む。
 ただ、全県対象の緊急事態宣言の適用が想定されることから、町の事業者は「気が抜けない」と気を引き締めている。県内有数の観光地として知られ、大井川鉄道千頭駅前でカフェを営む佐々木直也さん(35)は「これまで以上に感染症対策に気をつけて営業していきたい」と話した。

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